江戸蕎麦の御三家「藪（やぶ）」の総本家「かんだやぶそば」

2021/08/05

江戸蕎麦の御三家のひとつ「藪（やぶ）」の総本家「かんだやぶそば」。

「並木藪蕎麦」や「上野藪そば」など暖簾分けで広がる藪ブランドの本店として看板を受け継いでいるお店です。江戸蕎麦の伝統を守る老舗店ではどんな蕎麦が食べられるの？ということで今回は「かんだやぶそば」に行って来ました。

かんだやぶそば「通年メニュー」

かんだやぶそば「せいろうそば」

江戸三大老舗といわれる「藪（やぶ）」の総本家に来たからには、蕎麦をしっかりと味わっておきたいところ。そこでオススメなのが基本となる「せいろうそば」。

特に「藪」「更科」「砂場」からなる御三家の中で一番辛口と言われる汁に、江戸下町の庶民が食べたように蕎麦を汁にちょこっとつけていただきたい！と思ったら「せいろうそば」を注文しましょう。

蕎麦の量はそんなに多くありません。藪の蕎麦は緑色がかっているのも特徴のひとつです。

江戸時代には酒とつまみの後にシメに蕎麦を食べるという習慣があったようなので、お酒と共に蕎麦をたしなむのも粋な楽しみ方だと思います。

かんだやぶそば「そばとろ」

大和芋をおろして藪の辛口汁と合わせたとろろ汁に蕎麦をつけていただく「そばとろ」。粘り気のあるとろろにたっぷりと蕎麦を絡めていただきました。

かんだやぶそば「そばずし」

巻き寿司のご飯を蕎麦にして巻いた「そばずし」。干瓢、椎茸、玉子焼きが巻かれています。食べるのがもったいないと思うくらい綺麗に巻かれています。

かんだやぶそば「季節のおすすめ」

12月～2月「あられそば」

12月～2月の季節のおすすめ「あられそば」。霰（あられ）にみたてられた青柳の貝柱が海苔ぼ上にのせられています。江戸時代に江戸前で豊富にとられていた青柳は、庶民の味として親しまれていましたが、現在は高級食材となってしまっていることもあって老舗蕎麦屋さんでしか見かけなくなりました。価格も一杯3,080円（税込）と天ぷらそば1,925円（税込）よりも高価です。

江戸前天丼を提供するお店のかき揚げでも青柳の貝柱を見ることがありますが、こちらの貝柱は大ぶり！ホタテの貝柱とはまた違った弾力と心地よい歯ごたえが楽しめます。これは冬になるとまた思い出して食べたくなるに違いない。

蕎麦は、藪の蕎麦らしく緑色がかっています。温かい蕎麦は冷えた体を温めてくれました。

かんだやぶそば「季節の天ぷら」

季節の天ぷら：春

ふきのとう、たらの芽、こごみ、明日葉、紫イモ、京人参など、春の山菜が中心のラインナップ。塩か天つゆを付けていただきます。ふきのとうの存在感がすごい。春の訪れを感じながら味わえる一品です。

季節の天ぷら：夏

7月に訪問した時の「季節の天ぷら」は、ペコルス、ミョウガ、葉生姜、シシトウ、ナス、カボチャ、甘長とうがらしなど、夏野菜が中心のラインナップ。春に訪問した時と一品もかぶっていないところもいいですね！

季節の天ぷら：冬

1月に訪問した時の「季節の天ぷら」は、牡蠣、さつまいも、ブロッコリー、レンコンのはさみ揚げ、春菊、きすなど、冬の食材が中心のラインナップ。やはり他の季節と一品もかぶっていない。

かんだやぶそば「メニュー」

メニュー（蕎麦）

メニューには季節によって異なる「季節のおすすめ」という旬のメニューがあるので迷ってしまいますが、やはり初めてなら定番の「せいろうそば」は押さえておきたい。「かけそば」から「月見そば」「天ぷらそば」などの温かい蕎麦のメニューも充実しています。

メニュー（酒菜）

蕎麦を食べる前に酒とつまみを楽しむ「蕎麦前」メニューもあります。

季節のおすすめ：春

通年メニューの他、季節のメおすすめメニューもあります。春の蕎麦は、2～3月に白魚そば、3～4月に若竹そばが旬のおすすめ品となっています。「季節の天ぷら」は六種の春野菜の天ぷらです。

季節のおすすめ：夏

夏の蕎麦は、4～8月にじゅんさいそば、6～9月に冷し茄子そばが旬のおすすめ品となっています。「季節の天ぷら」は七種の夏野菜の天ぷらです。

季節のおすすめ：冬

冬の蕎麦は、10月上旬～3月に牡蠣そば、12～2月にあられそばが旬のおすすめ品となっています。「季節の天ぷら」は六種の冬の食材が中心の天ぷらです。

「かんだやぶそば」の店舗情報

東京都心にありながら緑に囲まれた風情ある佇まいがより一層老舗感を醸し出します。「藪（やぶ）」の総本家「かんだやぶそば」の蕎麦。江戸の蕎麦を語るなら絶対に食べておきたい名店です。

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