
和歌山城観光の所要時間は?御橋廊下と天守閣だけ巡る表坂ルートを実測
2026/02/05
和歌山城を観光するなら、どれくらい時間を見ておけばいいのか?これは多くの旅行者が気にするポイントである。
城内の見どころをすべて巡ったり、ひとつひとつをじっくり見学する楽しみ方もあるが、実際には「天守閣に登れれば十分」「主要な見どころだけを効率よく押さえたい」という観光客が大半ではないだろうか。
そこでこの記事では、対象を「御橋廊下」と「天守閣」の2点のみに絞り、表坂を経由するルートを実際に歩いて所要時間を実測した。限られた観光時間でも満足できる、和歌山城観光の現実的なモデルコースとして紹介する。
所要時間は約75分~90分見ておけばよい

まず結論から述べると、本ルートの所要時間は約75分である。写真撮影や休憩を挟んでも、90分あれば十分にお釣りがくる。城内をすべて巡れば半日はかかるが、目的を「天守閣からの眺望」と「特徴的な建造物」に絞れば、短時間でも十分にその魅力を満喫できる。

今回紹介するのは、バス停や駐車場からアクセスの良い「西の丸」からスタートし、「御橋廊下(おはしろうか)」を渡って天守閣を目指す、最も効率的なルートだ。
スタート地点:西の丸「わかやま歴史館」前

今回のスタート地点は、和歌山城の北西に位置する「西の丸」エリア。目印となる「わかやま歴史館」の前から出発する。正面の「大手門」から入るルートも一般的だが、御橋廊下を経由して天守閣を目指すなら西の丸からアプローチするのがおすすめだ。
足裏で感じる「御橋廊下(おはしろうか)」

西の丸の奥に進むと、堀にかかる屋根付きの橋が見えてくる。これが最初の見どころとなる「御橋廊下(おはしろうか)」である。
御橋廊下は、藩主の生活の場であった「二の丸」と、庭園を備えた「西の丸」とを行き来するために設けられた橋で、外部から内部の様子が見えない構造になっている点が大きな特徴だ。現在は観光客も実際に渡ることができるが、土足厳禁となっており、入口で靴を脱いで手に持ったまま通行する方式が採られている。

中へ足を踏み入れると、御橋廊下の特異な構造がよく分かる。橋全体が約11度の傾斜で斜めに架けられているため、床板には滑り止めとして段差が設けられている。
このような「斜めに架かる廊下橋」は全国的に見ても非常に珍しい。ギシギシと木の感触を足裏に感じながら渡る体験は、他の城郭ではなかなか味わえない、和歌山城ならではの見学ポイントだ。

御橋廊下を渡りきると、「二の丸」広場に到着する。現在は広々とした公園のようになっているが、ここはかつて藩主の居所や大奥があった場所だ。
「表坂」の階段を登り本丸へ

二の丸広場を抜けると、いよいよ天守閣へ向かうアプローチが始まる。このあたりでスタートから約10分経過。今回選択したのは、かつて藩主や家老などの登城に使われた正規ルート「表坂(おもてざか)」だ。
ここから先は、和歌山城が平山城(山城的要素を併せ持つ城)であることを実感する階段道が続く。足元は決して平坦ではないため、歩きやすい靴での見学をおすすめしたい。

階段を登りきると「松の丸」と呼ばれるエリアに出る。ここは本丸の一段下に位置する曲輪(くるわ)で、少し視界が開ける。ベンチなども設置されているため、ここで一息つくのも良いだろう。

松の丸を抜けると、再び緩やかな坂道が現れる。木々の間から徐々に天守閣の姿が見え隠れし、「あともう少し」という期待感が高まってくる道のりだ。
「本丸御殿跡」から撮る絶景

坂道を登りきった先にある階段を見上げると、「本丸御殿跡」に設けられた展望台が見える。ここは、かつて紀州徳川家の政治の中枢として、豪華な本丸御殿が建ち並んでいた場所である。

展望台に立つと、目の前に天守閣が堂々たる姿を現す。視界を遮るものがなく、青空に映える白亜の天守を真正面から望める、非常に条件の良いビュースポットだ。

天守閣の全体像をダイナミックに撮影したいのであれば、この展望台が最適な撮影ポイントである。構図を取りやすく、和歌山城らしい一枚を収めることができる。

本丸御殿跡での撮影を終えたら、いよいよ天守閣を目指す。天守を支える石垣に沿うようにして、奥へと歩みを進めていく。

ここが正真正銘、最後の登り坂だ。
目の前に迫る石垣の迫力を感じながら天守閣へと近づいていく。

この先、天守閣内部を見学する場合は有料となる。
入城前に、和歌山城の特徴である連立式天守を、外観からしっかりと写真に収めておきたい。
「楠門」をくぐり天守内へ

チケットを購入し、最初にくぐるのが「楠門(くすのきもん)」。この楠門と、左手の「二の門櫓」は、連立式天守の一部として内部でつながっている。このあたりでスタートから約30分経過。

楠門は、天守郭(てんしゅくるわ)への入口にあたる櫓門であり、ここを抜けると天守閣の中庭へと足を踏み入れることになる。

門をくぐった先には、四方を建物に囲まれた独特の空間が広がる。正面奥には乾櫓(いぬいやぐら)が姿を見せる。

和歌山城は、大天守・小天守、そしてそれらを繋ぐ複数の櫓(やぐら)がロの字型に配置された「連立式天守」と呼ばれる構造をしている。

姫路城や松山城と並ぶ日本三大連立式平山城の一つであり、この中庭から見上げる天守群の構図もまた、城好きにはたまらないアングルだ。
「和歌山城天守閣」を見学

和歌山城小天守から、いよいよ城内へと足を踏み入れる。

天守内部は博物館として整備されており、紀州徳川家ゆかりの甲冑や書状をはじめ、さまざまな史料が展示されている。

歴史ファンでなくとも楽しめる内容だが、今回の主な目的は最上階からの眺望である。展示物をさらっと見学し、上層階へと進んでいく。

最上階(3階)に到着すると、視界が一気に開ける。
周囲に遮る高い建物がないため、回廊からは360度の大パノラマを楽しむことができる。心地よい風が吹き抜け、ここまで階段を登ってきた疲れも吹き飛ぶ瞬間だ。
天守閣最上階からのパノラマ

東側を見渡せば、和歌山駅方面へと広がる市街地の先に、紀州の山々が連なっているのが確認できる。

和歌山駅方面をズーム。眼下には、先ほど立ち寄った「本丸御殿跡」と、その周囲を彩る豊かな緑が一望できる。

西側を望めば、紀の川の河口から和歌山港にかけての景色が広がり、天候に恵まれれば淡路島まで見渡すことが可能だ。

連立式天守の構造も、最上階から俯瞰することでその全体像が把握しやすい。建物同士の配置関係が、視覚的に理解できるポイントである。

北側の景色には、手前に天守入口の櫓、その奥に和歌山市役所や和歌山市駅方面の街並みが広がり、さらに遠景には大阪府と和歌山県の境をなす和泉山脈が望める。
大天守から各櫓をつなぐ「多門(たもん)」

展望台からの景色を堪能した後は、順路に従って天守を降りる。しかし、見どころはまだ終わらない。大天守から各櫓をつなぐ長い廊下「多門(たもん)」へとルートは続く。

多門は、天守群を内部から結ぶ通路で、建物の外に出ることなく移動できる構造になっている。この多門を通って連立式天守をぐるりと一周するような形で見学する。

二の門櫓から乾櫓をつなぐ多門の一部。
歩いてみると、天守単体ではなく「ひとつの防御拠点」として設計されていることがよく分かる。

設置された案内図を見ると、天守群全体の配置関係が一目で把握できる。大天守・小天守・櫓・多門がどのようにつながっているのかを確認しながら進むことで、和歌山城が戦略的に練られた城郭であることをより深く理解できるだろう。

順路に沿って多門を進んでいくと、やがて出口に到着する。このあたりでスタートから約60分経過。ここで連立式天守内部の見学は終了となる。短時間の見学であっても、連立式天守の奥深さをしっかり味わえる構成になっていた。
違うルートで下山し「大手門」へ

出口を出ると、最初にくぐった小天守の入口が見える。

楠門をくぐって外に出ると、ここで有料エリアの見学は終了となる。振り返れば、門と天守が一体となった防御的な構造がはっきりと見て取れ、城郭としての完成度の高さを感じさせる。

帰路は、行きと同じ表坂を戻っても良いが、別のルート「裏坂」を通って「大手門」へ降りるのもおすすめだ。
大手門は和歌山城の正門にあたり、堂々とした櫓門の構えは城の玄関口にふさわしい威厳を備えている。ここをゴールとしてスタートから約75分経過。
ここから城外へ出ると、先ほどまでの城郭空間から一転し、現代の和歌山市街へと戻ってきた感覚になった。
外堀からの「定番アングル」

大手門を出て外堀沿いの通りを進むと、そこには、和歌山城観光の締めくくりにふさわしい景色が待っている。
お堀越しに望む屋根付きの御橋廊下と、その奥にそびえる天守閣。この組み合わせは、まさに「これぞ和歌山城」と言える定番の構図であり、多くの観光パンフレットや写真で使われる理由も納得の眺めである。
和歌山城観光の所要時間まとめ
以上、西の丸から御橋廊下を渡り、表坂を経て天守閣を目指し、帰路は裏坂から大手門へ下るルートを紹介した。
実際に歩いてみた結果、移動時間と見学時間を含めても約75分~90分あれば、和歌山城の主要スポットを無理なく巡れることが分かった。城内すべてを細かく見学しなくとも、御橋廊下と天守閣を中心に押さえるだけで、紀州徳川家の城としての格と魅力は十分に感じ取れる。
「時間がないから」と訪問を諦める前に、ぜひこの効率的なルートで和歌山城を歩いてみてほしい。限られた時間でも、紀州徳川家の栄華と、和歌山城ならではの構造美をしっかり体感できるはずだ。

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