
天文館「あぢもり」の黒豚しゃぶしゃぶは予約必須?西郷コース実食レポ
2026/02/24
南九州最大の繁華街、鹿児島市「天文館(てんもんかん)」。
薩摩藩の天体観測施設に名を由来するこの街に、鹿児島の食文化を語る上で外せない名店がある。黒豚しゃぶしゃぶ発祥の店「黒豚料理 あぢもり」である。
鹿児島名物である特選黒豚を特製の黄金出汁にくぐらせ、その出汁で溶いた玉子スープにたっぷりと絡めて食す独自のスタイル。実際に訪れるとなると「予約は必要なのか」「当日でも入店できるのか」「コースでは何が提供されるのか」といった疑問を持つ人も多いだろう。
本記事では、実際に予約をして「西郷コース」を体験した内容をもとに、予約のルールや注意点、料理の流れを写真付きで詳しく解説する。これから天文館で黒豚しゃぶしゃぶを検討している人にとって、来店前の確かな判断材料となるはずである。
結論:天文館「あぢもり」の黒豚しゃぶしゃぶは予約必須

結論から言うと「黒豚料理あぢもり」で黒豚しゃぶしゃぶを食べるなら、事前の予約は「必須」である。
予約の電話を入れた際、いくつか重要な「ルール」があることが判明した。実際、今回は来店の約2週間前に電話で予約を行ったが、その時点で「しゃぶしゃぶの予約は個室のみ」と案内された。さらに個室の予約は「西郷コース(6,600円)」以上からとなっており、今回はこの西郷コースを予約する形となった。
あぢもりのコースは「維新コース(4,400円)」「大久保コース(5,500円)」「西郷コース(6,600円)」「霧島コース(7,700円)」「桜島コース(8,800円)」の5種類が用意されており、個室でのしゃぶしゃぶ利用にはコース指定がある点は注意が必要である。また、個室利用の場合はサービス料10%が別途かかることも、予約時にあらかじめ案内された。

当日の飛び込み利用は極めて難しい。
実際に店頭では「本日しゃぶしゃぶはご予約のお客様で満席です」と案内されており、早い時間帯でも予約客で埋まっていることが分かる。
天文館であぢもりの黒豚しゃぶしゃぶを確実に味わいたいのであれば、早めに電話予約を入れることが必須であると言える。
西郷コース:まずは前菜と黒豚料理

今回予約したのは「西郷コース」。
5種類用意されているコースの中では中位に位置し、黒豚料理としゃぶしゃぶの両方をバランスよく楽しめる構成となっている。
コースは、小鉢から始まり、黒豚料理、しゃぶしゃぶ、締め、デザートという流れで進む。いきなりしゃぶしゃぶに入るのではなく、鹿児島らしい黒豚料理を段階的に味わわせる点が特徴だ。まずは瓶ビールとともに、2種類の小鉢が運ばれてきた。
2種の小鉢で黒豚の旨みを味わう

小鉢はいずれも黒豚を使った惣菜で、派手さはないものの、丁寧な仕事ぶりが伝わってくる内容である。
ひとつは「黒豚の時雨煮の酢和え」。
酢和えはほどよい酸味があり、これから続く料理への食欲を自然と引き出してくれる。

もうひとつは「黒豚のスジ肉」。
スジ肉はしっかりと染み込んだ旨味がありながら重すぎず、前菜としてちょうど良い内容である。

案内されたのは、落ち着いた雰囲気の和個室。
床の間には立派な掛け軸が飾られ、黒豚しゃぶしゃぶ発祥の老舗にふさわしい風格と、くつろげるプライベートな空間が広がっている。サービス料が別途かかるとはいえ、この落ち着いた環境で食事ができるのであれば納得である。
黒豚一口ヒレかつ・黒豚コロッケ

続いて運ばれてきたのは、黒豚一口ヒレかつと黒豚コロッケの盛り合わせ。

きつね色にカラッと揚がった衣が美しく、見た目からも期待が高まる。

まずは黒豚コロッケを箸で持ち上げてみる。箸先からも、サクッと軽快に揚げられていることが伝わってくる。

サクリとした心地よい音とともに衣を割ると、中には黒豚のミンチとホクホクの芋がたっぷりと詰まっている。黒豚のコク深い旨味と芋の素朴な甘みが絶妙なバランスで口の中に広がる、満足度の高い逸品だ。

続いて黒豚一口ヒレかつをいただく。
一口サイズながらも肉厚で、驚くほど柔らかい。黒豚ならではの上質な脂の甘みと、ヒレ肉のさっぱりとした赤身の旨味がギュッと凝縮されている。

付け合わせのキャベツの千切りには、さっぱりとしたドレッシングとパセリがかけられており、揚げ物の合間の良い口休めとなってくれた。
西郷コース:黒豚しゃぶしゃぶ実食レポ

いよいよこのコースの主役である「黒豚しゃぶしゃぶ」の時間が始まる。
テーブルの中央にセットされた鍋には、黄金色のお出汁がたっぷりと張られている。美しく透き通っており、一般的なしゃぶしゃぶの出汁とは明らかに異なる、ひと目で違いを感じさせる輝きだ。

手元には取り皿と生玉子のみが用意される。ポン酢やごまだれといった一般的なしゃぶしゃぶのつけだれが見当たらない点こそが、あぢもり流黒豚しゃぶしゃぶ最大の特徴である。

そして運ばれてきたのは「特選黒しゃぶ肉」。
大皿の中央には薔薇の花のように立体的に盛り付けられたバラ肉が据えられ、その周囲を囲むようにロース肉が美しく並べられている。思わず箸を入れるのをためらってしまうほどの芸術的な盛り付けである。

上質な黒豚肉に加え、野菜の盛り合わせと生玉子が用意され、これらが黒豚しゃぶしゃぶを形作る役者たちだ。

コンロに火が入ると、鍋を満たす黄金色のお出汁が、静かに、そして次第に力強く煮立ち始めた。黒豚しゃぶしゃぶ発祥とされる店の味を、これからじっくりと確かめていきたい。
鍋の中でほどける黒豚バラの花

まずは中央に薔薇の花のように盛り付けられた黒豚バラ肉から。最初のお肉は、スタッフさんが丁寧に鍋に入れてくれる。

中央に薔薇の花のように盛り付けられたバラ肉の塊を、スタッフさんが崩さずにそっと鍋の中央へと沈める。

熱々の黄金出汁の中で、バラ肉の塊にじわじわと火が通ってくる。

すると、まるで本物の薔薇の花びらが開くように、火が通った外側のバラ肉からふわっと塊からほどけていくのだ。この一連の流れは、見ているだけでも食欲と期待感が高まる見事な演出である。

さらにスタッフさんが箸を使い、薔薇の花の中央部分のバラ肉も丁寧に塊からほどいていく。

お肉全体に火が通り、ほんのりと色づいたら食べごろの合図である。
黒豚バラ肉は甘みをそのまま味わう

鍋に浮かぶ黒豚バラ肉を箸で持ち上げる。黄金出汁をしっかりとまとったお肉は、ツヤツヤと輝いている。

まずは取り皿に置いた黒豚バラ肉を、何もつけずにそのまま口へと運ぶ。これが、あぢもりが推奨するバラ肉の食べ方である。ポン酢もごまだれも必要ない。特製の出汁の旨味と、黒豚の脂が持つ上質な甘みが一体となり、口の中に静かに広がっていく。

再び鍋に浮かぶ黒豚バラ肉を箸で持ち上げる。何度食べても、その驚くべき柔らかさと、しつこさの全くない上質な甘みに感動を覚える。豚肉特有の臭みなどは微塵も感じさせない。

箸を動かす手が自然と止まらなくなる。何もつけずに食べているにもかかわらず、味としての完成度は非常に高く、黒豚そのものの力を実感させられる。

気がつけば、バラ肉も残り一枚となっていた。名残惜しさを覚えつつ、最後の一口をゆっくりと味わい、この後に続くロース肉への期待を高める。
黄金出汁の玉子スープでいただく黒豚ロース

続いて、黒豚ロース肉をいただく。赤身と脂身のバランスが絶妙な美しさだ。

ロース肉を箸で持ち上げる。肉質の良さと柔らかさが、箸先からもひしひしと伝わってくる。

黄金出汁の鍋に、黒豚ロース肉をくぐらせる。

ここで、最初から手元に用意されていた「生玉子」が活躍する。まずは鍋の熱い黄金出汁をお玉ですくって取り皿へと注ぎ入れる。

熱々のお出汁と生玉子をよくかき混ぜると特製「玉子スープ」が完成する。これがポン酢やごまだれに代わる、あぢもり独自のつけだれである。

ほんのりと桜色に火が通ったロース肉を、完成したばかりの玉子スープにたっぷりと浸して持ち上げる。
口に入れると、ロース肉のしっかりとした肉の旨味を、出汁の効いたまろやかな玉子が優しく包み込む。すき焼きとも違う、これまでに味わったことのない新感覚の美味しさに思わず息を呑む。
野菜とともにしゃぶしゃぶを堪能

お肉を少し楽しんだところで、ネギ、白菜、ほうれん草、椎茸、えのき、えりんぎ、餅巾着、豆腐といった野菜やきのこ類を中心とした具材を鍋に投入する。

ひと煮立ちさせると、野菜が黄金出汁の旨味と黒豚の脂をたっぷりと吸い込み、最高の食べごろを迎える。

ここで再び、大ぶりな黒豚ロース肉を持ち上げる。

野菜の甘みが溶け出してさらに深みを増した鍋の中で、贅沢に黒豚ロース肉をしゃぶしゃぶする。

火が通ったロース肉を、再び玉子スープにくぐらせていただく。赤身の旨みが際立ち、さっぱりとしながらも黒豚らしいコクがしっかりと感じられる。

もちろん、お出汁をたっぷりと吸い込んだ野菜たちも、この玉子スープとの相性は抜群である。

その後はもう、箸が止まらない。肉をしゃぶしゃぶし、玉子スープに浸しては口へ運ぶという至福のループが続く。

あぢもりの黒豚しゃぶしゃぶが、なぜこれほどまでに多くの人を惹きつけるのか、その理由がはっきりと分かる体験であった。
締めの特製手延細うどん&デザート

黒豚の旨味と野菜の甘みがたっぷりと溶け出した黄金出汁。この極上のスープを最後まで味わい尽くすための〆として提供されるのが、重箱に美しく収められた「特製手延細うどん」。

早速、うどんを鍋に入れると、最初は出汁を吸いながらスッと底の方へ沈んでいく。

しかし、じっくりと火が入っていくにつれて、次第にふわりと鍋の表面へと浮かび上がってくる。

煮立つ頃には、鍋の中でうどんが躍るように広がる。うどんが軽やかに躍り始めたら、それが食べごろの合図である。この独特の茹で上がる過程でも楽しませてくれる。

程よく火が通ったところで、箸でうどんを持ち上げる。出汁の香りが湯気とともに立ち上る。

これを、特製の玉子スープにたっぷりと浸してすする。手延べならではのツルッとした滑らかな喉越しと、濃厚な出汁の旨味が完璧に絡み合い、最後の一口まで満足感が続く。

実のところ、メニューには黒豚肉の追加や、黒豚かつなどの一品料理も豊富に用意されている。もう少し食べたい場合は追加オーダーも可能だが、西郷コースの構成だけでも十分なボリュームがあり、すっかりお腹はいっぱいになっていた。

コースを締めくくる食後のデザートとして提供されたのは「黒豚コラーゲンのアイス(プルーンのソースがけ)&ほうじ茶」である。
プルーンの爽やかな酸味が、黒豚を堪能した後の口の中をさっぱりとリセットしてくれる。コラーゲン入りというのも、最後まで黒豚尽くしのあぢもりらしいこだわりだ。温かいほうじ茶にホッと一息つく、贅沢な時間となった。
「黒豚料理あぢもり」黒豚しゃぶしゃぶまとめ

天文館にある「黒豚料理あぢもり」の黒豚しゃぶしゃぶは、料理の内容、提供の流れ、食べ方に至るまで、一貫した完成度の高さを感じさせる一軒だった。
一方で、来店にあたっては注意すべき点も多い。個室での予約は西郷コース以上から、さらに個室利用時にはサービス料が別途かかる。加えて、当日は早い時間帯から予約で満席となっており、飛び込みでの利用は現実的ではない。これらの条件を踏まえると、事前の電話予約は必須だと言える。
料理に関しては、前菜の黒豚料理から始まり、黄金色の出汁で味わう黒豚しゃぶしゃぶ、そして締めの手延細うどんまで、すべてが計算された構成で進んでいく。特に、バラ肉を何もつけずに味わうスタイルや、玉子スープとともに楽しむロース肉、出汁を余すことなく味わえる締めのうどんは、この店ならではの体験である。
価格帯は決して安くはないが、その分、味・雰囲気・体験のいずれもが揃っており、鹿児島らしい食体験を求める人にとって足を運ぶ価値は十二分にあると断言できる。天文館で黒豚しゃぶしゃぶを確実に楽しみたいのであれば、ぜひ早めに予約を入れて、この極上の黒豚しゃぶしゃぶを自身の舌で体験してみてほしい。

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