大阪名物バッテラ発祥の「寿司常」!超老舗店で伝統の舟形バッテーラ
2024/01/02
大阪名物の押し寿司バッテラ(バッテーラ)」発祥のお店で知られる「寿司常(すしつね)」さん。 寿司常さんは創業1891年(明治24年)の老舗店で、1988年(昭和63年)に一度暖簾を下ろすが、2016年(平成28年)に四代目がお店を再開して大阪の伝統が引き継がれた。
今回は、大阪の食文化を楽しみに老舗店「寿司常」さんへ元祖バッテラ(バッテーラ)を味わいに行ってきたので紹介したいと思う。
お店は大阪天満宮北側の裏門筋沿いに立地している。店前の石畳の街並が印象的だ。老舗感漂う落ち着きのある外観。若干敷居の高そうな店先にはバッテラをつくる時に使う舟形の押し型が展示されている。
大阪「寿司常」のランチメニュー
寿司常さんのお昼のお品書きは11時から14時まで。元祖バッテラをメインとしたバッテーラ膳がランチではリーズナブルにいただける。ちなみに夜の営業ではおまかせ握りが5ケタからとなる高級なお寿司屋さんだ。今回は、お店の看板メニューである「バッテーラ膳」を注文した。
- ▼大阪「寿司常」の主なランチメニュー
- ・バッテーラ膳:1,800円(税込)
- ・手まり膳:2,300円(税込)
- ・活けあじ棒膳:2,200円(税込)
寿司常「バッテーラ膳」
6席あるカウンター中央のアリーナ席に着席することができたので、元祖バッテラの製造工程を見ることができた。
バッテラには舟形の押し型が使用される。
あらかじめ下処理して寝かせた上質なサバを職人さん(四代目店主)が押し型に敷き詰めていく。
サバの身を敷き詰め終わったら、その上にシャリをのせる。シャリをのせたら舟形のフタで押していく。
元来はサバではなく大阪で穫れたコノシロで作られていたそう。コノシロの半身がのった寿司の姿が舟のような形をしていたことから、ポルトガル語で小舟を意味する「bateira(バッテーラ)」と呼ばれるようになったのだそう。
しっかり押して舟形の押し型から出したら、舟形にカットされた白板昆布(通称バッテラ昆布)をのせる。醤油をハケで塗ったら元祖バッテラの完成!元祖バッテラが完成したら、でっかい包丁でカットしていく。
バッテラの製造前に小鉢(かぼちゃ豆腐にクコの実)が運ばれてくる。この小鉢は四季折々の工夫が施されている。
待ちに待った元祖バッテラ!
半透明の白板昆布を纏った艶々のバッテラ、横に添えられた椎茸と胡瓜の太巻物が映える。
見た目も美しい!
脇役ではあるが彩のある小鉢、朱色の汁物のお椀、あがりを背景に元祖バッテラが視覚的にも歴史の重厚感を醸し出す。
舟形に成形された伝統のバッテラが美しすぎて、手を付けるのがもったいなく感じてしまう。
伝統の元祖バッテラをいただきます!
シャリの味付けは大阪らしく甘めで、酸味を強く感じる。これにしっかりと締めて熟成されたサバの旨味が調和する。
一見薄切りに見えるが、口に入れて味わうと下処理で締められたことにより、身が凝縮されていたことが理解できた。凝縮されたサバの身とは対照的に、ふんわりと押されたシャリ。絶妙なバランスに職人さんが施した技を充分に感じることができた。
そして、脇役ながらもいい仕事をする太巻。
肉厚の椎茸と大振にカットされた胡瓜を具材とした充分に主役となりえる太巻が、サイドでダイナミックに元祖バッテラを支える。
焼ナスとミョウガを具材とした濃厚な赤だし。こちらも美味。汁ものにも一切の妥協がない。四代目店主の仕事をしっかりと堪能できた。大阪を訪れて最初に訪問するに相応しい満足度の高いお店だった。ご馳走様でした。
寿司常「活けあじ棒膳」
元祖バッテラと並ぶ、寿司常さんの看板「活けあじ棒寿司」。元祖バッテラよりもこっちの方がウマいと言うファンも多い。
元祖バッテラは持ち帰りもできるが、活けあじ棒寿司は店内でしか味わえない。お店で活けあじ棒寿司を味わって、元祖バッテラを持ち帰って両方味わうという戦略もあるらしい...。
こちらは連れが注文した「活けあじ棒寿司」。
活けあじということで新鮮なのはもちろん、大振りのアジが使用されており断面を見ただけでも肉厚なのがわかる。次回は活けあじ棒寿司の他、夜に寿司屋飲みでも老舗の味を味わってみたいと思う。
大阪「寿司常」店舗情報
今回は大阪名物の押し寿司「バッテラ(バッテーラ)」発祥のお店で知られる「寿司常(すしつね)」さんで元祖バッテラをいただいてきた。大阪の伝統を引き継ぐ寿司常さんで、是非、元祖バッテラを味わっていただいて大阪の食文化を楽しんでいただけたら幸いだ。