
錦帯橋で岩国寿司なら「ひらせい」!1858年創業の老舗で郷土料理を満喫
2026/10/15
錦帯橋観光で、お昼は岩国寿司を食べたい!そんな人にまず勧めたいのが「ひらせい(平清)」だ。錦帯橋の入口からすぐのところにある1858年(安政5年)創業の老舗で、一番人気の「じゃのめ御膳」を頼めば、岩国寿司に加えて大平やれんこん料理など、岩国の郷土料理を一度に味わえる。
本記事では、じゃのめ御膳の実食レポを中心に、岩国寿司の特徴やメニュー、持ち帰りについてまとめる。
錦帯橋たもとの老舗「ひらせい(平清)」

黄土色の壁に「お食事処 ひらせい」と書かれた木の看板が掛かり、花柄の暖簾が下がる落ち着いた構えの店だ。入口の脇には、岩国出身の作家・宇野千代の言葉を刻んだ大きな板が立てかけてある。土産物店が並ぶ通りの中でも、ひときわ目を引く外観である。

メニューの表紙によると、創業当時のひらせいは、お城に出入りを許された数少ない魚屋だった。屋号の「平清」は、二代目・平野屋清吉の名に由来する。今は岩国寿司や郷土料理を出す食事処だが、ルーツは魚屋にあるのだそう。

メニューには「平清の歩み」というページもある。創業の地は登富町(現在の岩国二丁目の一角)で、2001年(平成13年)に錦帯橋のたもとへ移った。ページには昭和初期の店先や配達用のオート三輪、自転車での出前風景といった古い写真も並ぶ。料理を待つ間に眺めるのにちょうどいい。
岩国寿司とは

岩国寿司(いわくにずし)は岩国を代表する郷土料理で、別名「殿様寿司」とも呼ばれる。店内の高い壁にはポスターが貼られていて、作り方が紹介されている。大きな木枠に酢飯と具を何段にも重ね、ふたをして上から押し固める押し寿司だ。押すときは人が乗って踏むこともあるという豪快さである。

段と段の間には、ちしゃなどの葉を敷いて仕切る。押し固めたあとに木枠を外すと、きれいな層の重なりが現れる仕組みだ。御膳で出てくるのは、それを切り分けた一切れである。上には錦糸卵、桜でんぶ、れんこん、しいたけ、細かく刻んだ大葉の葉がのる。
メニューと一番人気「じゃのめ御膳」

食事の中心となるのは「ご膳料理」で、メニューには6種類が並ぶ。牡蠣フライが主役の「いそかぜ御膳」、長州鶏のからあげの「あけぼの御膳」、夏季限定で茶そばと天ぷらを合わせた「そよかぜ御膳」と、御膳ごとにメインの料理が違う。

右ページには、エビフライの「大名御膳」と天ぷら盛り合わせの「彩御膳」が載っている。もうひとつ、「一番人気」の札が付いているのが「じゃのめ御膳」だ。どの御膳にも岩国寿司と大平、れんこん三杯酢が付き、岩国寿司は希望すれば白飯に替えられる。

今回頼んだのは、一番人気のじゃのめ御膳である。メインは、岩国名物のれんこんにひらせい秘伝の具を挟んで揚げた「れんこんはさみ揚げ」だ。メニューには、れんこんは「見通しがよい」縁起物だと添えられている。岩国寿司や大平、刺身こんにゃく、れんこん三杯酢も付き、郷土料理がひと通りそろう構成だ。

岩国寿司だけを食べたい場合は、「ご飯もの」から単品で注文できる。お吸い物付きもあるので、軽めに済ませたいときやほかの料理と組み合わせたいときに便利だ。ご飯ものには鯛・穴子・牡蠣から選べる釜飯もあるが、炊き上がりに20分かかるので、時間に余裕があるときに頼みたい。
じゃのめ御膳で岩国寿司を実食

運ばれてきたじゃのめ御膳は、漆塗りのお盆に器がずらりと並ぶ。手前の朱塗りの器に岩国寿司が収まり、奥には大平の椀と、れんこんはさみ揚げを含む天ぷらの皿が並ぶ。小鉢や茶碗蒸し、お吸い物まで含めると品数は多く、お盆全体が華やかだ。

まずは岩国寿司から。朱塗りの器の中に、四角く切り分けられた一切れが収まっている。上に散らされた具の黄色やピンクが器の朱色に映え、実に色鮮やかだ。押し寿司というと地味な印象を持ちがちだが、見た目の華やかさは想像以上である。

箸で一口大に切って持ち上げると、しっかり押し固められているので崩れにくい。持ち上げた一切れは、れんこんの穴から錦糸卵がのぞいていて、見た目にもかわいらしい。味は見た目どおり、酢飯の押し寿司そのものだ。奇をてらったところはなく期待通りのおいしさだ。
岩国の郷土料理を満喫
大平(おおひら)

大平は、岩国の郷土料理として知られる具だくさんの煮物だ。黒い椀の中には、れんこん、タケノコ、ニンジン、インゲン、シイタケ、厚揚げ豆腐、こんにゃくがたっぷり入っている。全体的に色合いが控えめな上品な一品だ。

れんこんを箸で持ち上げる。どの具も大ぶりに切られていて食べ応えがある。
れんこん三杯酢

れんこん三杯酢は、薄切りのれんこんを三杯酢で和えた一品だ。器の中では白いれんこんが何枚も重なり、細切りの海藻とクコの実が彩りを添えている。

一枚持ち上げて穴を数えてみると、9つあった。岩国のれんこんは穴が9つあることで知られ、藩主・吉川家の家紋「九曜紋」に似ていることから大切にされてきたといわれる。岩国れんこんならではの断面を、ぜひ自分の目で確かめてほしい。
刺身こんにゃく

刺身こんにゃくは、メニューによると岩国市錦町の特産だ。半透明のこんにゃくが大葉の上に盛られ、オレンジ色の粒が載っている。見た目は白身魚の刺身のようで、こんにゃくとは思えない涼しげな一皿である。

付けダレは、辛子と酢を合わせたものだ。淡白なこんにゃくに、辛子の刺激と酢の酸味で味を付けて食べる。
れんこんはさみ揚げ

じゃのめ御膳のメインであるれんこんはさみ揚げは、ナスやシシトウなどの天ぷらと一緒に盛られて出てくる。

一品料理のメニューには、「れんこんに挟まれた具は門外不出!」と書かれている。はさみ揚げは単品でも注文できるので、気に入ったら追加で頼むのもいい。

箸で持ち上げて断面を見ると、れんこんの間に黄色い具がぎっしり詰まっている。赤や黒の細かな具も混ざっているが、何が入っているのかは店の秘密だ。天つゆに浸していただく。
茶碗蒸し・お吸い物

脇を固める茶碗蒸しは、鮮やかな黄色でなめらかな見た目だ。中にはシメジが入っている。

お吸い物には花の形をした麩が浮かび、見た目にもかわいらしい。どちらも郷土料理ではないが、御膳全体の味のバランスを整えてくれる存在だ。
まとめ:錦帯橋で岩国寿司を食べるなら「ひらせい」

錦帯橋で岩国寿司を食べるなら、「ひらせい(平清)」は有力な選択肢だ。錦帯橋の入口からすぐの場所にあり、観光の流れを崩さず立ち寄れる。奥の窓側の席に座れれば、錦帯橋を眺めながら食事ができるのも魅力だ(今回は窓から遠い手前の席だった)。1858年創業の老舗で、一番人気のじゃのめ御膳を頼めば、岩国寿司と郷土料理をひと通り味わえる。
酢飯が苦手な同行者がいれば、岩国寿司を白飯に替えられる。岩国寿司だけを単品で頼んだり、2個入りを持ち帰ったりもでき、人数や時間に合わせて頼み方を選べるのも魅力だ。訪問したお盆休み前半の13:40頃は、ほぼ満席だったが待たずに入れた。営業時間は昼のみで短めなので、公式サイト等で確認してから向かいたい。











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