
西沢渓谷ハイキング(新緑編)ターコイズブルーに輝く絶景を見に行こう
2021/06/16
国内屈指の渓流美を誇る景勝地「西沢渓谷」。いくつもの滝を形成する渓流沿いに整備されたハイキングコースにはたくさんの見どころがあります。
西沢渓谷最大の見どころは日本の滝100選にも選ばれている名瀑「七ツ釜五段の滝」。七ツ釜五段の滝のターコイズブルーに輝く美しい景色を見るために西沢渓谷に行って来ました。
西沢渓谷ハイキングコース

西沢渓谷にはハイキングコースが整備されています。西沢渓谷ハイキングコースは1周約10km、一方通行になっています。
往路は笛吹川の渓流に沿って上流に向かうルートを進み、途中「三重の滝」や最大の見どころ「七ツ釜五段の滝」を経て終点に至ります。
帰路はトロッコ軌道跡をたどりながら山の中をひたすら下っていくというコースになっています。途中の案内板には約4時間のコースだと表示されていますが、西沢渓谷入口バス停を起点とした場合、コース1周の所要時間は途中休憩を含めて約5時間くらいみておくのがいいと思います。
西沢渓谷アクセス(マイカー編)
西沢渓谷の市営駐車場(無料60台)

西沢渓谷の入口周辺には無料の市営駐車場が2か所あります。
西沢渓谷ハイキングコースの入口から近い方の市営駐車場は約60台の駐車スペースがあります。西沢渓谷は甲武信ヶ岳、鶏冠山、黒金山などの登山道入口にもなっているので、ハイキング日和の休日は満車になってしまうことが多いです。
西沢渓谷の市営駐車場(無料200台)

道の駅「みとみ」に隣接するところにもう1か所無料の市営駐車場(無料200台)があります。
トイレの利用や帰りに道の駅でお土産を買うこともできるので、最初からこちらに駐車するのも便利だと思います。
西沢渓谷入口の有料駐車場

有料の駐車場(1日500円)もあります。西沢渓谷入口から一番近い場所に位置しています。
駐車料金は「ドライブイン不動小屋」で支払います。
西沢渓谷アクセス(公共交通編)

JR塩山駅~西沢渓谷入口間で運行する路線バスで「西沢渓谷入口バス停」までアクセスすることができます。
西沢渓谷入口バス停は「ドライブイン不動小屋」の奥にあります。

路線バスを利用する場合は、必ず最終バスの発車時刻をチェックしてから西沢渓谷ハイキングコースに入りましょう。
西沢渓谷入口からネトリ広場

今回は、道の駅「みとみ」に隣接する市営駐車場(無料200台)からスタートします。雁坂みち(国道140号線)を進んで西沢大橋手前から西沢渓谷入口へ入ります。

ドライブイン不動小屋の前には「市営駐車場(無料60台)」の入口、その奥には「西沢渓谷入口バス停」や「有料駐車場」があります。

「西沢渓谷これより1周約10km」の道標。
西沢渓谷ハイキングコースはここが起点になります。

西沢渓谷ハイキングコースに入るとしばらく舗装されたコースが続きます。
西沢渓谷周辺案内図には、往路が2時間10分、帰路が1時間25分、計3時間35分と案内されていました。

ここから先は車両の通行が禁止されています。
歩行者は左側の歩道から通行します。

車止めの先もしばらく舗装されたハイキングコースが続きます。

建物と開けた場所が見えてきたらそこは「ネトリ広場」。ネトリ広場にはトイレや休憩できるスペースがあります。

西沢渓谷ハイキングコースの帰路で合流する地点でもあるので、道標には「1/10km」と「9/10km」の2つの表記があります。
ここから一周8kmの表記からも西沢渓谷入口からすでに1km進んで来たことがわかります。

大嶽山那賀都神社ののぼりがあがった祠でハイキングの安全を祈願します。
ネトリ広場から二俣吊橋

ネトリ広場を過ぎてしばらく歩くと分かれ道が見えてきます。
右手は日本百名山「甲武信ヶ岳」戸渡尾根コースの登山道入口。甲武信ヶ岳という名前を見ただけで難易度高そう。
西沢渓谷ハイキングコースは真っすぐ進みます。

ついに渓谷らしく川が見えてきました。

ちょっと沢に降りてみます。水の透明度がすごい!でもこの川は「ヌク沢」という沢をながれる川で笛吹川ではないみたいです。

ハイキングコースに戻ってヌク沢に架かる橋を渡ります。
昔はヌク沢上部の戸渡尾根中腹にあった採石場から珪石(けいせき)を発掘してここまで降ろして、ここから塩山駅北の集積場までトロッコで運んでいたのだそうです。

大きな建物が見えてきます。
この建物は「旧西沢山荘」。現在は開いていないように見えます。

田部重治の文学碑があります。

この先から登山道のような雰囲気になっていきます。

いまのところハイキングコース上には特記するほどの危険な箇所はありません。

西沢と東沢の合流地点に架かる二俣吊橋が見えてきます。

西沢渓谷ハイキングコースの見どころのひとつ「二俣吊橋」。歩くと揺れます。

東沢の奥に見えているギザギザとした山は鶏冠山(とさかやま)です。

二俣吊橋上にある道標には「2/10km」の表記。西沢渓谷入口から2km地点だということがわかりました。
二俣吊橋から三重の滝

二俣吊橋を渡ると、いよいよ西沢渓谷に入って行きます。
ここから「西沢渓谷」という案内板が掲げられています。

滑落しないように崖側には杭が打たれていますが、なるべく崖側からは離れて歩きましょう。

木材で組まれたアスレチックのような階段をあがって行きます。

ところどころ道が細くなります。ハイキングコースが一方通行になっているのにも納得できますね。

下りの先に青く輝く水面がみえてきます。

三重の滝の滝見台分岐。ここを降りた後の左手の道は「三重の滝の滝見台」へと続きます。

日の光が差してターコイズブルーに輝く滝壺が神秘的。

滝見台からは「三重の滝」をわりと近くで見ることができるので、きれいなだけでなく迫力もあります。

滝見台は三重の滝をバックに記念撮影ができるくらいの十分なスペースがありました。

西沢渓谷ハイキングコース最大の見どころ「七ツ釜五段の滝」に影をひそめていますが、「三重の滝」も見どころとして主役級だと思います。
三重の滝から貞泉の滝

新緑と清流が気持ちいい!沢沿いを進みます。

水に触れてみると想像以上に冷たい!とにかく水の透明度がすごいです。

登山と比べるとあまり登っているという感覚はありません。たまには渓谷のハイキングコースもいいですね。

フグ岩の標識。どれがフグ岩なのか探します。

フグ岩あった!確実にこれが「フグ岩」という岩を見つけました!ここから見どころが続きます。

ウナギの床の標識。ウナギの床らしいものを探します。

たぶんこれが「ウナギの床」だと思います。

人面洞の標識。これは標識の目の前にあったので、すぐに見つけることができました。

岩肌が人の顔に見える「人面洞」。たしかに言われてみれば人の面に見えなくもないですね。

ゴロゴロ岩の道。景色に変化があって飽きません。

きれいな清流を見ているだけで心が洗われます。

木々の奥に滝が見えてきました。この滝は「竜神の滝」。

標識のおかげでこの滝が「竜神の滝」だと認識できました。

そして恋糸の滝の標識。

木々の隙間から見える細い水の流れが「恋糸の滝」です。

恋糸の滝付近から一旦登って下りた先にも滝が見えます。

貞泉の滝の標識と滝見台が設けられています。

「貞泉の滝」もブルーに見えます。

貞泉の滝を上流側から見下ろしても絶景でした。
貞泉の滝から七ツ釜五段の滝

足場用の板で作られた橋を渡って、脚立のハシゴを上がります。
このあたりは川の増水時に道がなくなってしまうので橋が設置されています。

ハイキングコースはところどころぬかるんでいるところがあるので、トレッキングシューズの準備をオススメします。

見どころが次々と現れるので、進んでいくのが楽しい。

母胎渕(欧穴)の標識。
先ほどのフグ岩やウナギの床のように探さなくてもわかります。

この窪みが「母胎渕(欧穴)」。ターコイズブルーに輝いてきれいです。

少し開けたところに出ました。
このあたりはひと休みするのにも適しています。

大きな岩に座って休憩。
澄んだ水の流れに癒されます。

「3.5/10km」の道標を発見!
西沢渓谷入口から3.5km地点です。

続いてカエル岩の標識。
正面やや向こうにカエルのように見える岩があります。

正面からみたらカエルに見えた「カエル岩」も、横からみるとなんだかイノシシのように見えました。

秋の紅葉の季節が人気ですが、西沢渓谷は新緑の季節もオススメです。

「方杖橋」が見えてきます。この橋の上からは「七ツ釜五段の滝」の一番下の段の滝壺を望むことができます。

方杖橋を渡ると、傾斜のきつい上りが待っています。

落石により滝見橋が損傷して橋は通行止めになっていますが、仮の足場が設置されたので、2021年5月現在は左脇から通って先に進むことができるようになっています。

右手には「七ツ釜五段の滝」の下2段が望めます。一番下の滝壺に落ちる滝が一番落差があります。

七ツ釜五段の滝の上3段を見る為にさらに登ります。

ハイキングもいよいよクライマックス。
「七ツ釜五段の滝」の上3段が見えてきます。
写真を撮る人が立ち止まるので、このあたりは少々渋滞気味。自分の番がくるのを待ちます。

ここがネットなどでよく見るカットが撮れる場所ですね!
実際に自分の目でみると感動!本当に来て良かったと思います。

定番のアングルをズームして撮ってみます。
水面に光が差すと滝壺がターコイズブルーに輝いてきれいです。

秋の紅葉のシーズンは水面に光が当たらないのでターコイズブルーに輝く絶景を撮るなら5,6,7月の午前中がオススメです。
七ツ釜五段の滝からハイキングコース終点

ハイキングコースの終点は七ツ釜五段の滝の奥にあるので、先に進みます。

右手には沢に下りられる道があります。

沢に下りて昼食をとっている人がたくさんいます。
終点付近にある展望台よりも広くて場所を確保しやすいので、ここで昼食という選択肢もありだと思います。

奥に見えるのが「不動の滝」。
沢沿いを歩くのはここで終わり。この先は渓谷を離れて山道をあがります。

ハイキングコースの様子も急に登山道のようになります。

「西沢渓谷終点まで100m」の道標。
ハイキングコースの終点はすぐそこです。

ラストスパート。
これを登り切れば長かったハイキングコースも終点です。

終点の道標が見えてきました。

「西沢渓谷終点」の道標。

この先に休憩ができるスペースがあります。

休憩スペースにはトイレも設置されています。
ベンチが設置されていますが、空きがありませんでした。

新緑の山の木々が黄緑色に輝いています。
ハイキングコース終点から大展望台

「西沢渓谷終点」道標の裏側に「4.5/10km」の道標を発見!西沢渓谷入口から4.5km地点。終点って単純に半分の5km地点ってわけではないんですね。

ここからは旧トロッコ道を下っていきます。
標高1,370mのハイキングコース終点から標高1,100mの西沢渓谷入口バス停付近まで高低差は270mほどあります。

さわぐるみ橋。
道中、このような橋をいくつも渡ります。

かつては木材搬出のためにトロッコが運行していたそうで、ところどころ線路が残っています。

42号橋。
このポイントは「五つ淵(いつつふち)」という名前が付けられていて、「七ツ釜五段の滝」を見下ろすことができます。

しゃくなげ橋。
この橋からも「七ツ釜五段の滝」を見下ろすことができます。

どの橋もスケスケ!
高所恐怖症の人には辛いかも知れません。

「5/10km」の道標を発見!
西沢渓谷入口から5km地点ということで、距離的にはここでちょうど半分ということになります。

時折キツめのカーブ。
運材夫さんは命がけで木材を運搬していたんですね。

運搬夫の彦一さんが馬と共に転落したということで、この場所は「ひこいっちゃんころばし」と呼ばれています。

バス停まで4kmの道標。

運搬夫の猪虎狸さんがトロッコと一緒に沢に転落したことで、この場所は「いこりころばし」と呼ばれています。

苔がきれいな場所もちらほらあります。

大展望台に到着。
大展望台にはベンチが設置されていて、ひと休みすることができます。

大展望台からは鶏冠山、木賊山、破風山、雁坂嶺、水晶山などの山々が見渡せます。
大展望台からカワズ池

「6/10km」の道標を発見!
西沢渓谷入口から6km地点ということになります。

大久保沢橋が見えてきます。

大久保沢橋で沢の向こう側に渡ります。やはりこの橋もスケスケ。

大久保沢橋から大久保沢を見下ろすと、谷間を水が流れていました。

大久保沢橋を渡ったら、しばらく大久保沢にそって歩きます。

緩やかな傾斜がずっと続きます。
トロッコ軌道が敷かれていたということでトロッコが通れないほどの難所はありません。

視界の先に、木材を積んだ台車のようなものが見えてきます。

木材搬出に活躍したトロッコが展示されていました。

「トロッコの由来」案内板。
昭和8年から昭和43年まで使われていたのだそう。自然勾配をブレーキだけで塩山駅まで下りて、上りは馬で2台ずつ引き上げていたそうです。

「シャクナゲ群生地」の道標。
5月上旬~中旬頃には、アズマシャクナゲが赤い花を咲かせます。

「西沢渓谷山の神」さまの祠。
のぼりには大獄山那賀都神社と書かれています。

路線施工の難所だったと言われている「奥悪沢(おくわるさわ)」。

見上げると奥悪沢という名前からも何度も土砂が崩れたことが連想できる崖が広がります。

バス停まで2kmの道標があります。
このカーブを曲がると旧森林軌道側の入口はもうすぐそこ。

旧森林軌道側の入口が見えてきます。

旧森林軌道はここまで。
奥にはカワズ池の案内板が見えますが池の水が枯れていました。
カワズ池からネトリ広場

旧森林軌道が終わると、これまで歩いてきたよりもひと回り広い林道を下ります。

林道は車両が通行できそうな道幅があります。

「子酉橋(ねとりばし)」を渡るとネトリ広場。

子酉橋から笛吹川上流方面。
遠くに壊れた吊り橋が架かっているのが見えます。さらにその奥には鶏冠山が望めます。

子酉橋を渡ると「ネトリ広場」。往路との合流地点です。
ネトリ広場にはトイレや休憩できるスペースがあります。
ネトリ広場から西沢渓谷入口

行きにハイキングの安全を祈願した祠で、無事に帰ってきた報告とお礼をします。

ネトリ広場からは、往路でのぼってきた道をひたすら下ります。

車止め地点まで下りてきました。右手から通行します。

西沢渓谷入口まで戻ってきました。
西沢渓谷入口バス停にはバスが停まっています。

道の駅みとみに隣接する西沢渓谷の市営駐車場(無料200台)まで無事に戻ってきました。ここで今回の西沢渓谷ハイキングは終了。お疲れ様でした。
西沢渓谷ハイキングまとめ

今回は、ターコイズブルーに輝く七ツ釜五段の滝の美しい景色、西沢渓谷ハイキングコースの魅力が伝えられるよう、100枚を超える画像で紹介しました。
駐車場情報や道中の見どころ、オススメの時間帯なども書き留めておきましたので参考になれば幸いです。