初めての鋸山登山!実は鋸山山頂への登山は無料・地獄のぞきは有料
2021/10/31
千葉県内房エリア屈指の人気観光スポット「鋸山(のこぎりやま)」。
鋸山は登山客にも観光客にも人気なのでネット上には多くの情報であふれていますが全体像が見えにくいと感じます。
今回は登山メインだけど見どころも押さえたい!という人の為に鋸山登山と見どころについてまとめることにしました。
鋸山は北側の斜面が「登山道」、南側の斜面が「日本寺」となっているので、登山メインの場合は登山道、観光メインの場合は鋸山ロープウェイで日本寺側に登ることになります。
今回は登山メインなので登山道を目指します。
登山道は「関東ふれあいの道」と「車力道」2つのルートが一般的なので、今回は関東ふれあいの道で鋸山山頂をめざすことにしました。
浜金谷駅からスタート
電車、車、フェリー等、どの交通手段を利用しても鋸山登山道を目指すのにJR浜金谷駅は目印になると思うので浜金谷駅からスタートします。改札の中にトイレがあるので電車で来た場合は改札を出る前にトイレを済ませておくと良いと思います。
浜金谷駅から伸びる駅前通りを進んで最初の交差点を左に曲がります。
鋸山登山道を示す案内板が各所に設置されているので、案内板を探しながら進めば迷うことはないと思います。
JR浜金谷駅から登山道に向かう途中には「石の舎」という鋸山観光案内所があります。
鋸山観光案内所「石の舎」では鋸山マップを入手することができます。登山計画書の受付箱も設置してあります。
笹生肉店まつばや右手の路地に入ります(左折)。
鋸山登山道に続く道脇には天王神社が鎮座しています。登山の無事を祈ります。
「安兵衛井戸と沢コース」との分岐点。
「関東ふれあいの道」と「車力道」はこのまま道なりに進みます。
「関東ふれあいの道」と「車力道」の分岐点(分岐A)が見えてきます。
鋸山登山道入口~観月台
今回は「関東ふれあいの道」を登って鋸山山頂を目指します。
二俣の中央からのびる階段が関東ふれあいの道の登山道入口になります。ちなみに左の道「車力道」からでも鋸山山頂へ行くことができます。右の道は登山道ではありません。
鋸山登山道入口(関東ふれあいの道)は長い石段から始まります。
登山でカニを発見?アカテガニというらしい。
登山序盤から長くてシンドイ石段を登ります。
長い石段を抜けると登山道らしい景色になります。
しばらく進むと開けたところに到着。ここが「観月台(かんげつだい)」。
観月台は東京湾と遠く三浦半島が望める展望台になっています。
観月台は鋸山登山道最初の休憩スポット。ベンチがいくつか設置してあります。
観月台~樋道跡
観月台からは一旦下りになります。登山なのに下るのはちょっと損した気分。石切場跡まで0.7kmの道標が設置されています。
さらに登山道を下るとトイレが設置されているのが見えてきますが、この日は使用禁止とかいてありました。
このあたりからは鋸山の全貌を望むことができます。大迫力の岩肌!
海抜150mの標識。ここから登山道は再び登りとなります。標高329.5mの山頂に行くのにすでに半分近い高度にいることになります。
登山道は石を使って整備されているところが多い印象。
岩を切り開いたような登山道がなんとも鋸山らしい。
岩盤を削ったような登山道が続きます。
岩石に生えた苔がさまになっています。
石切場跡まで0.3kmの道標が設置されています。観月台までも0.3kmとあることから観月台~石切場跡のちょうど中間と言えます。
石切場から切り出した石材は「樋道」という石の滑り台を滑らせておろしていたそうで、その「樋道跡」が残されています。樋道の脇には石段が作られています。
樋道跡~石切り場跡(観音洞窟)
樋道跡から登山道に戻って先に進みます。
マムシに注意の看板。
落ち葉の陰にマムシが潜んでいるのを知らずに踏んでしまって咬まれるということがあるそうです。
「分岐C」の標識。
道標には「日本寺(地獄のぞき・大仏)まで200m」とありますが、まずは鋸山山頂を目指すので「石切り場跡(岩舞台)まで200m」の方向に進みます。
鋸山山頂まで行ったら。ここ「分岐C」まで戻って日本寺(地獄のぞき・大仏)方面に行きたいと思います。
しばらく進むと少し開けたところに出ます。
ここからは「地獄のぞき」を下から見上げることができます。
さらに進むと「分岐D」の標識。
ここまで標識にしたがって石切場を目指してきたので「石切り場跡 岩舞台50m」とある方向へ進みたくなるところですが、「東京湾を望む展望台(鋸山山頂方面)」の方向に進みます。
鋸山山頂まで行ったら。ここ「分岐D」まで戻って石切り場跡(岩舞台)方面に行きたいと思います。
ちょいちょい下りがあります。
石切り場跡(観音洞窟)が見えてきました。
石切り場跡(観音洞窟)は鋸山みどころのひとつと言うだけあって人がたくさんいます。
下から見上げるとさらに壮大!階段状に切っているのは崩落防止の為だと言われています。
石切り場跡(観音洞窟)~分岐F
石切り場跡(観音洞窟)からさらに進むと、この先には鋸山みどころのひとつ「切り通し跡」。
「切り通し」は岩壁切り抜いて作った道で、石材や石クズを運び出す為に作られたそうです。
このあたりは良質な先材がたくさん採れたのか、四方が岩壁で囲まれています。
壮大な岩壁には石を切り出した痕跡が横縞模様となって残っています。
「分岐E」の標識。
車力道との合流地点となります。鋸山山頂へは「東京湾を望む展望台(鋸山山頂方面)」の方向に進みます。
「分岐E」から次の「分岐F」の区間が鋸山山頂までの道のりで一番きつい区間だと思います。
右手には「石切り場跡(吹抜洞窟)」が見えます。
傾斜が急なので滑落しないように手すりが設置されています。
さらに傾斜が急になります。ここは下りる時も大変でした。
「分岐F」の標識。
道標には「東京湾を望む展望台50m」とありますが、まずは鋸山山頂を目指すので「鋸山山頂500m」の方向に進みます。
分岐F~鋸山山頂
「分岐F」から鋸山山頂へは下りから始まります。
下り終えたら上り階段。
そしてまた下り、上りとアップダウンが続きます。
歩いていて分岐F~鋸山山頂間が一番登山道っぽい。
登山道としてよく整備されています。
この区間には鋸山らしい岩肌はなく普通に登山している感じです。
この階段を登ったところが山頂。
山頂のベンチが見えてきました。分岐F~鋸山山頂までは約12分の道のりでした。
鋸山山頂に到着!山頂にある石の標柱は一等三角点(三角測量という測量法の基準点になるもの)。鋸山の最高地点でもある。
鋸山山頂(329.5m)からは鋸山北側と遠く東京湾が望めました。
分岐F~東京湾を望む展望台
鋸山山頂から分岐Fまで戻ったら「東京湾を望む展望台」に寄ってみます。 「分岐F」の標識に「東京湾を望む展望台0.05km」とあるとおり展望台はすぐそこです。
「分岐F」から1~2分で「東京湾を望む展望台」に到着。
展望台にはベンチや眺望案内板が設置してあります。
西側眼下には金谷港や浜金谷駅がある金谷の街。東京湾の向こうには三浦半島。晴れていればこの方向に富士山が見えるみたいです。
南側眼下には保田の街。その向こうは館山です。
分岐D~石切り場跡(岩舞台)
東京湾を望む展望台から分岐Dまで戻ったら「石切り場跡(岩舞台)」にも寄ってみます。
分岐Dから石切り場跡(岩舞台)までは約50m。
分岐Dから少し歩けば石切り場跡が見えてきます。
当時、最も有力な石材業者であった芳家石材の石切り場跡で、ここは鋸山の石切り場跡の中でも規模が違います。
「安全第一」の文字の下に「芳家石材」の文字が刻まれています。時代の変化によって石を切り出す道具がツルハシからチェーンソーに変わったことから、「安全第一」の文字から下は表面が滑らかになっています。
ここから樋を通して石材を下ろしていたのだと思います。
使われなくなった重機や機材がそのまま放置されていました。
分岐C~日本寺(境内北入口)
分岐Cまで戻ったらいよいよ「地獄のぞき」がある日本寺に向かいます。日本寺までは200mと標識に書いてあります。
ここから「日本寺(境内北入口)」までは上りの傾斜がキツめな区間になります。
石を使って整備されています。
更に傾斜がキツくなり、手すりが設置されています。
岩を切り開いて作られたような登山道が続きます。
登り切った先の開けたところには展望台が設置されています。
展望台からは「石切り場跡(ラピュタの壁)」を見ることができます。
「石切り場跡(ラピュタの壁)」までくれば「日本寺(境内北入口)」はもうすぐ。
のぼりきったら「日本寺(境内北入口)」が見えてきました。
日本寺境内北入口~地獄のぞき
「地獄のぞき」や「大仏」は日本寺境内にある為、日本寺の拝観料が必要です。北口管理所から日本寺の境内に入ります。
境内に入って最初の見どころは「百尺観音」。高さ30mの大観音像は世界戦争戦死病没殉難者供養の為、東京湾周辺の航海、航空、陸上交通犠牲者供養の為に造立されました。現在は交通安全の守り本堂として見守っています。
「百尺観音」の先に進みます。両側は切り開かれた岩壁に囲まれています。
鋸山ロープウェイ山頂駅から「地獄のぞき」へ向かう人達と合流します。
日本寺境内はスニーカーでも登れます。
瑠璃光展望台が見えてきます。
瑠璃光展望台からは「地獄のぞき」を側面から望むことができます。鋸山といえばココ!という写真が撮れます。
瑠璃光展望台には鋸山ロープウェイで登ってきた観光客が多いですが、お弁当を広げている登山客もいました。
「地獄のぞき」の出っ張ったところに行く為の長い行列ができていました。
「地獄のぞき」は足がすくむほど怖いのかなと思っていましたが、安全柵があるので撮影スポットとして人気という感じでした。
ここからは残りの体力に応じて来た道から下山、鋸山ロープウェイで下山するのも良し、日本寺境内を探索するのも良いと思います。日本寺境内については別の記事で紹介したいと思います。