大山(神奈川)登山!ケーブルカー+最短ルートで山頂までの所要時間
2021/02/14
江戸時代から江戸庶民の行楽地として賑わったという「大山(おおやま)」。
都心からのアクセスが良好ということもあって、神奈川で登山といえば大山というくらい有名で人気の山です。
登山の情報サイトでは、初心者向けにカテゴライズされることが多い印象の大山ですが、正直、ぜんぜん初心者用の山とは思えない!ということで、本当の登山初心者の方でも登山を楽しんでいただけるように、大山登山を初心者目線でレビューしたいと思います。
都心からアクセス良好「大山(おおやま)」
大山登山で山頂へ向かうには、いくつかのルートがあります。
今回は、「ケーブルカー」+「最短ルート」で山頂を目指したいと思うので、まずは「大山ケーブル駅」へ向かいます。
小田急伊勢原駅からバスなら「大山ケーブルバス停」、車なら大山ケーブルバス停に隣接する「大山第2駐車場」がそれぞれ「大山ケーブル駅」の最寄りになるので、バス、車のどちらで訪れてもほぼ同地点からのスタートになります。
こま参道を通って大山ケーブル駅へ
大山ケーブルバス停、大山第2駐車場からは、お店や宿が立ち並ぶ「こま参道」を通って「大山ケーブル駅」を目指すことになります。
こま参道沿いにはお土産屋さんや飲食店、民宿などが軒を連ねます。
大山の伝統工芸品である「大山こま」や、大山名物である「豆腐料理」や「しし鍋」を提供するお店もあります。
登山客よりも大山寺や阿夫利神社下社への観光客の方が多い印象です。
大山ケーブル駅から阿夫利神社下社へ
「こま参道」を抜けると大山ケーブル切符売り場に着きます。
ここの切符売り場の運賃表は「繁忙期運賃」の表示しかないので、繁忙期専用の切符売り場なんだと思います。
ケーブルカーを使わないで大山山頂に行く場合はこちら
→大山阿夫利神社(下社)まで登山!ケーブルカーを使わないルートを紹介
紅葉シーズン(繁忙期)だけあって、大山ケーブル駅前はケーブルカーに乗るための長い長い行列。
この日は通常よりも本数を増やして運行しているとのことで、頻繁にケーブルカーが発着します。
駅舎の中も長い行列。この地点は海抜400mと書いてありました。
ちなみに「大山ケーブル駅」から「阿夫利神社下社」までは、ケーブルカーで6分、徒歩なら男坂なら30分、女坂なら40分と案内されてます。
切符売り場の行列に並んでから「阿夫利神社駅」に到着するまで50分以上かかったので、並んでるくらいなら徒歩で登れば良かったなとも思いました。
やっと大山ケーブル駅のホームに入場する順番が来ました。
ホームは斜面にあるので階段状になっています。
ケーブルカーが到着。
車両の先頭に乗りたいところですが、並び順的にムリそうなので、車両後方に乗り込みます。
ケーブルカーは始発駅の「大山ケーブル駅」から「大山寺駅」を経て、終点の「阿夫利神社駅」に到着します。
途中駅の「大山寺駅」では、下りのケーブルカーとすれ違いました。
「阿夫利神社駅(海抜678m)」に到着!
この地点ですでに高尾山(599m)やスカイツリー(634m)よりも高い所にいることになります。
阿夫利神社下社へ
大山ケーブル駅でケーブルカーを降りて少し進むと、売店がある神社境内の広場に出ます。ここから石段をあがっていくと「阿夫利神社下社」の拝殿があります。
ケーブルカーに乗らずに徒歩で登ってきた場合は、この広場で合流することになります。 ケーブルカーのチケット売り場に並んでからここまでの所要時間は【52分】。繁忙期はケーブルカーの行列に並ぶ時間がかかるので徒歩で登った方が早く到着できる場合もあります。
石段の上の鳥居の先には「阿夫利神社下社」のご本殿が見えます。
振り返ったら思わぬ絶景!
遠く向こうに見える水平線は相模湾。
スカイツリーよりも高いところにいる事を改めて実感できます。
阿夫利神社下社を参拝しようと行列ができています。
右手には大山名水が湧き出る神泉があるので、飲料を汲んでいくこともできます。
大山頂上への登山口は阿夫利神社下社を正面に見て左手になります。道標には、所要時間(上り90分、下り60分)が記されています。
安全にハイキングが楽しめるように、ここでお祓いして、安全のお守りをいただいてから入山します。
大山登山道(前半)
大山頂上へ向けて、いよいよここから入山します。
丹沢大山登山は「初心者向き」とされている登山情報サイトが多いですが、当然、ヒールで登れるような山ではないので、くれぐれも服装や持ち物にはご注意下さい。
登拝門を入ると、いきなり長い石段が続きます。角度が急なので気を付けて登りましょう。
長い石段の途中には早速「二丁目」の道標。登山口の一丁目から山頂の二十八丁目まで、登山道には「○丁目」の表示があるので、二十八丁目までというのを覚えておくと、山頂までの目安になります。
長い石段を登りきると、あたりは一変して山の中になります。「三丁目」の道標には、「御神木鳥居杉跡」の文字が刻まれています。
三丁目を抜けると、目の前には本格的な登山道。
石が階段状に積まれた登山道を進みます。
わりとすぐに「四丁目」の道標。
このペースなら山頂の「二十八丁目」まで余裕な感じがしてきます。
三丁目、四丁目と急な登山道が続きましたが、少し平らな所に出ます。先には「五丁目」らしき道標。
「五丁目」の道標には、頂上へ1,877米、下社へ200米の文字が刻まれています。単純に5分の28ということではなさそうです。
「六丁目」の道標には「本坂千本杉」の文字が刻まれています。確かにまわりには杉の木が多い印象です。
登山道というよりも土砂崩れの跡のような景観です。
さらに進むと「七丁目」の道標。
大山の登山道は、木の根っこがむき出しになっているところが多いので、つまずいて怪我をしないように注意が必要です。
「八丁目」の道標には、「夫婦杉」の文字。
大山登山道のみどころのひとつ「夫婦杉」。
樹齢樹齢500~600年を超えるのだそう。根本はひとつなのに2本の杉が寄り添うようにそびえ立っています。
「十丁目」の道標には、頂上へ1,585米、下社へ492米の文字が刻まれています。
このあたりは、石が階段状に積まれていますが、一段あたりの高さがあるので登るのがキツイ、、、
「十一丁目」の道標の先も、傾斜がキツイ区間が続きます。
大きな岩がゴロゴロしていますが、岩が無い所を探しながら進んでいくと比較的ラクに進めます。
「十二丁目」の道標。このあたりは杉が多いゾーンです。
「十三丁目」の道標には、頂上へ1,417米、下社へ680米の文字が刻まれています。
やっとこの時点で頂上までの距離のうち3割を超えた事が分かりました。
自然のものだけでさりげなく登山道がかたち作られています。
「十四丁目」の道標には、「ぼたん岩」の文字。 ここからしばらくは、大山登山道のみどころのひとつ「ぼたん岩」を見つける為に足元の岩にご注目!
足元には丸みを帯びた岩がところどころに見られます。この岩がぼたんの花のように見えることから「ぼたん岩」と呼ばれているそうです。
石垣の間を縫うように進みます。
「十五丁目」の道標には、「天狗鼻突岩」の文字。
こちらも大山登山道の見どころのひとつです。
案内板の横にある大きな岩をみると、岩にこぶし大の穴があいています。案内板によると、天狗が鼻を突いてあけた穴だといわれているそうです。
比較的、岩がきれいに積まれた登山道を進むと「十六丁目」の道標が見えてきます。
頂上へ1,077米、下社へ1,000米という道標に刻まれた文字を見ると、ここを中間地点と考えてよさそうです。
ここでひと休み!
ここは蓑毛方面からの登山道と合流する地点で「十六丁目」の道標には、「本坂 追分」の文字が刻まれています。
登山時は合流地点でも、下山時には分岐点となるので、帰り道をしっかりと確認しておきましょう。
ちなみに登山道に入ってからここまでの所要時間は【38分】。
木々の間からは、横浜方面を望むことができます。
大山登山道(後半)
追分分岐からしばらくは、木で作られた橋のようなものが置かれたなだらかな登山道が続きます。
「十七丁目」の道標付近もなだらかな登山道が続きます。
ずっとこんな感じならいいのにな、、、とか考えながら進みます。
しばらくなだらかだった登山道に、徐々に傾斜が入ってきます。
このあたりは傾斜がキツくなって、大きな岩がゴロゴロしているので、小さな岩を探しながら進んでいきます。
「十八丁目」の道標には、頂上へ932米、下社へ1,145米の文字が刻まれています。これで完全に道のりの半分を超えました!
「十九丁目」の道標付近もキツめの傾斜が続きます。
傾斜を登りきると、「富士見台」という開けた場所に出ました。
この「富士見台」も大山登山道のみどころのひとつ。
晴れていればここから富士山が見えますが、曇り空の為、今回は富士山を見る事はできませんでした。
案内板によると、江戸時代には茶屋が置かれていたそうで、浮世絵に描かれるほどの絶景で「来迎谷(らいごうだに)」とも呼ばれていたそうです。
「二十丁目」の道標を横目にさらに進んでいきます。「標高1,062米」の文字が刻まれています。
「二十一丁目」の道標には、頂上へ682米、下社へ1,395米の文字が刻まれています。ようやく三分の二に達した事が確認できました。
ちなみに登山道に入ってからここまでの所要時間は【53分】。
このあたりも傾斜がキツくて、大きな岩がゴロゴロしています。
「二十二丁目」には「天狗沢展望台」の文字が刻まれていて、ちょっとした休憩スポットになっています。
道標には、「標高1,102米」の文字が刻まれています。
しっかりと整備された登山道にだんだん見えてきました。
「二十三丁目」の道標には、頂上へ487米、下社へ1,590米の文字が刻まれています。
このあたりからは小田原方面を望むことができました。
「二十四丁目」の道標付近は、大きな岩もなく比較的おだやかな印象です。
しばらくおだやかな登山道が続きます。
「二十五丁目」の道標には「ヤビツ峠分道」と「標高1,174米」の文字が刻まれています。
着々とゴールとされている「二十八丁目」が近くなってきました。
頂上まであと10分と年季が入った手作りの看板。
頂上には売店があるみたいです。
「二十五丁目」からは再び傾斜がキツめな登山道が続きます。
「二十六丁目」の道標には「來迎谷」の文字が刻まれています。富士見台の案内板あった「来迎谷」とは別の意味なのかな、、、
何やら鳥居が見えてきました。
鳥居の先にも登山道は続きます。
そして「二十七丁目」の道標。残すところはあとひとつ。
「御中道」の文字が刻まれています。
奥にまた鳥居が見えてきました。
ついに頂上か?
ついに「二十八丁目」の道標。
この鳥居をくぐれば、その先は山頂の領域です。
大山山頂
階段の脇にある石碑の文字をよく見ると「阿夫利神社本社」と刻まれています。
階段をあがると大山山頂のメインとも言える「阿夫利神社本社」が立っています。
神主さんは常駐していないみたいなので、ご朱印を拝受する場合は下社でいただきましょう。
「阿夫利神社本社」の道標には「標高1,247米」の文字が刻まれていますが、丹沢大山の(標高1,252m)には少し足りません。
平野の奥には湘南の街や江の島を望むことができます。
さらに奥には、奥の院があります。
大山山頂奥の院。
ここが丹沢大山で一番標高が高い地点になります。
登山道に入ってからここまでの所要時間は【80分】。「十六丁目(本坂 追分)」の展望台で水分補給程度の休憩をとったの以外はほぼノンストップだったので、案内板に書いてあった下社からの所要時間(上り90分)は妥当な時間だと思います。
奥の院を正面に見て右手には「丹沢大山国定公園 大山山頂(標高1,251.7メートル)」の碑があって、記念撮影の順番待ち行列ができていました。
山頂からは横浜や湘南が一望することができます。
山頂では、お弁当を食べたり、休憩しながらおしゃべりをしたり、みなさん楽しいひと時を過ごしていました。
大山山頂から下山
下山は見晴台経由で下社までという人も多いと思いますが、今回は最短ルートである来た道を戻ります。
登山初心者なのと日頃の運動不足なのもあって、下山時には足に疲労が溜まっているのを感じます。
全体的に石や岩が多いので下りは特に足に負担がかかります。段差が大きい所をなるべく避けて下山しましょう。
下りはちょうど60分。
頂上からノンストップで下社まで案内板どおりの所要時間【60分】で戻る事ができました。
阿夫利神社下社の石段を下りると、西の茶屋という売店があります。そば、うどん、ラーメン、おにぎりの他、大山名物である豆腐料理もいただけます。だんごやとうふ味のソフトクリームも食べ歩きにオススメです。
さらに石段を下りるとトイレもあります。
帰りもケーブルカーで下山します。
阿夫利神社駅前は、ケーブルカーで下山する人の行列ができています。
ケーブルカーが入線してきます。
ケーブルカーにはこれから登ってくる人がたくさん乗っています。
途中駅の「大山寺駅」で上りのケーブルカーとすれ違って、麓の「大山ケーブル駅」に到着!
ケーブルカーのチケット売り場に並んでから大山頂上に登山し、下山してからケーブルカーで麓まで下りて来るのに全所要時間は【4時間38分】でした。お疲れ様でした。
大山登山まとめ
ケーブルカーのチケット売り場に並んでから大山頂上に登山し、下山してからケーブルカーで麓まで下りて来るまでの全所要時間は【4時間38分】でした。
とりあえずケーブルカー+最短ルートで大山山頂を目指したわけですが、これまで富士山と遠足レベルの登山くらいしか経験が無かったので、登山情報サイトなどで初心者向けにカテゴライズされているわりには結構キツイ道のりに感じました。
それでも道中に点在する展望台からの見晴らしや、山頂からの展望は曇っていても十分に楽しめました。
登山道は段差が大きいところが多く、下山時には膝への負担が大きいと感じたので、段差が少ない所を選んで歩いたり、登山用ストック(トレッキングポール)を利用して膝へのダメージを減らす工夫も必要です。