
小田原「天史朗鮨」で地魚寿司!地元民も食通も通う本当に旨い名店
2025/08/06
小田原が誇る本当に旨いお寿司の名店「天史朗鮨(てんしろうずし)」さん。
駅から徒歩数分という好立地ながら、観光客だけでなく地元の常連や食通たちも通う実力派の一軒だ。小田原・早川漁港で水揚げされた地魚を中心に、季節ごとの旨いネタと、丁寧な職人仕事を楽しませてくれる。
今回は「店主おまかせ地魚鮨」で、小田原の地魚と職人の技をしっかり味わってきた。小田原で本物の地魚寿司を食べたい方には、ぜひ立ち寄ってほしい街画コム管理人イチオシの名店だ。

鉄道ミステリーの第一人者として知られる作家・西村京太郎さんが、この店の常連だったようで、店先の暖簾にはサインが書かれている。訪れたのは休日の夜営業。開店の少し前に店に到着すると、すでに3組のお客さんが並んでいた。今回は初めて2階のテーブル席へ案内された。
小田原地魚寿司「天史朗鮨」のメニュー

天史朗鮨さんのメニュー構成は、大きく分けて、「にぎり鮨」「ちらし鮨」「巻物」「お造り」、そして「お飲み物」というカテゴリーで構成されている。特に「にぎり鮨」は、地魚を楽しめる「地魚鮨」のほか、スタンダードな「並」に始まり、「中」、「上」、「特上」、そして最上級の「極」と、予算や好みに合わせて選べるようになっているのが特徴だ。

また、地魚鮨と上鮨には、別途カラー写真付きのメニューが用意されている。写真を見ながら選べるのは初めての来店者には嬉しいポイントだろう。さらに、老舗かまぼこ店「鈴廣」のかまぼこを使った板わさも単品メニューにあるので、小田原らしい逸品を味わいたい人はぜひ試してほしい。

本日のおすすめ品として、小田原の定番「鯵(あじ)」をはじめとした地物を中心としたメニューが準備されている。旬の食材の魅力をしっかりと楽しめるラインナップとなっている。
- ▼「天史朗鮨」の主なメニュー
- ・地魚鮨:2,600円(税込)
- ・並:1,600円(税込)
- ・中:2,000円(税込)
- ・上:2,600円(税込)
- ・特上:3,800円(税込)
- ・極:4,500円(税込)
- ・謹上かまぼこの板わさ:800円(税込)
天史朗鮨「地魚鮨」

まずは瓶ビールを一本。
グラスに注いだ泡がゆっくりと落ち着いていくのを眺めながら、「地魚鮨」が運ばれてくるのを静かに待つ。こうした時間もまた、寿司屋さんで過ごすひとつの愉しみだ。

お通しはサバフグのたたき。程よい歯ごたえに、ポン酢の酸味がじんわりと広がる。

この日の地魚鮨は、「鰹」「するめ烏賊」「まぐろ赤身」「ち鯛」「鯵」「イサキ」「〆いわし」「玉子焼き」、そして巻物。巻物には、酒盗、軟骨塩辛、麹塩辛、鉄火巻と、通好みの風味が並ぶ。寿司につまみの要素を忍ばせるあたりに、このお店の遊び心が垣間見える。

ネタにはすっと包丁が入り、食感や味のなじみを計算されているのが伝わる。赤酢のシャリが見た目にもしっかりと存在感がある。

手前に並ぶのは、麹塩辛巻と鉄火巻。麹塩辛のほのかな辛みと塩味が余韻を残す。鉄火巻は赤身がよく生きていて、赤酢のシャリと互いに引き立て合う。

まずは「鯵」のにぎりから。脂ののりはありながら生姜の薬味も絶妙なバランスで軽やかな後味。小田原の定番ながら、天史朗さんの鯵はどこか違いを感じる一貫だ。

続いて「イサキ」は、包丁の入れ方が美しく、身の模様がキレイに見える。イサキ特有の弾力を程よく残しながら、ひとつ上のクオリティに仕上げているところがさすがだ。

「〆いわし」は、酸味から始まって、あとから旨味がついてくる。赤酢のシャリと合わさって、ほどよくまとまりがある。仕事の丁寧さが際立つ一貫だ。

「鰹」は、たたきではなく、炙らずに生で供される。まるで別の魚かと思うほど、鰹っぽいにおいを感じない。この新鮮さならではの鰹は、シンプルながら印象に残る一貫だった。

するめ烏賊には、包丁が細かく入り、やわらかさの中に心地よい歯応えが残されている。噛むほどに旨味がにじみ出てくる。

まぐろ赤身。定番ゆえに、お店の力量が問われる一貫でもあるが、地魚の中にあってもしっかりと存在感を放っている。

「ち鯛」は春の余韻を感じさせる。淡白な身質に、皮目の炙りが香ばしさを添えて、上品に仕上がっている。

玉子焼き。握りセットの終盤に、ほどよく気持ちを落ち着けてくれた。

最後に巻物。酒盗・軟骨塩辛・麹塩辛・鉄火巻と並ぶ組み合わせは、すべてが個性的で、どこか遊び心が感じられる。いずれもつまみにもなりそうな濃い味ながら、巻物としてもまとまりがよい。この巻物が食べたくてこのお店のお寿司を食べにくるお客さんも少なくないだろう。

お吸い物は、魚のあらでとられた出汁。あっさりとしていながら、芯のある旨味がじんわりと染み込んでいる。

"食べる"というよりも、"感じる"という表現が似合う一杯。寿司を締めくくるにふさわしい、お吸い物だった。
小田原地魚寿司「天史朗鮨」の店舗情報

今回は、小田原駅からほど近い場所にある「天史朗鮨」さんは、地元に根ざした真面目な寿司屋として、静かな人気を集める一軒。小田原の地魚を赤酢のシャリと丁寧な仕事で仕上げた一貫一貫。派手さはなくとも、ひと口ごとに海の恵みと職人の技を感じさせるその味わいは、小田原を訪れたならぜひ味わってほしいものばかりだ。
自信を持っておすすめできる名店「天史朗鮨」さんで、小田原の本物の地魚寿司をぜひ味わってみてほしい。