
小田原・早川漁港「すし海攻」!仲買直営の立ち食い寿司で朝どれ地魚
2025/07/31
小田原・早川漁港周辺には、新鮮な海鮮丼や魚介定食を提供する人気店が軒を連ね、週末ともなれば多くの観光客で賑わう。そんなグルメ激戦区に、2025年6月に新たにオープンしたのが、「すし海攻(かいこう)」さん。
早川漁港で唯一の立ち食い寿司として注目を集めるこのお店は、地元の仲買人が直営しており、ネタの鮮度・質は抜群。立ち食いスタイルとは思えないほど、本気の地魚寿司を提供している。今回は、実際に「すし海攻」さんを訪れて、地魚寿司をじっくり味わってきた。
小田原で地魚を本気で楽しみたい方、観光だけじゃ物足りないグルメ好きの方にこそ、ぜひチェックしていただきたい一軒だ。

「すし海攻」さんがあるのは、小田原・早川漁港のすぐ近く、小田原水産会館の1階。お店は館内の奥に位置しており、通り沿いからは少し見つけにくいが、入口には看板やのぼりが出ているので、建物の中を進めばすぐにわかるはずだ。
小田原水産会館といえば、地元で親しまれている「お食事処 大原」さんや「めし家 やまや」さんなど、人気のお店が並ぶグルメスポット。いずれも漁港の目の前という好立地を生かし、新鮮な地魚をリーズナブルに楽しめることで知られている。

この日は、まだオープンしてから日が浅いこともあり、幸運にも行列はなく、すぐにカウンターに案内された。
小田原・早川漁港「すし海攻」のメニュー

「すし海攻」さんのお品書きには、早川漁港で水揚げされた地魚を中心としたメニューが並ぶ。なかでも、おすすめされているのが「地魚にぎり八貫」。地金目鯛をはじめとした、その日のおすすめが詰まった内容になっている。

また、にぎり寿司は単品でも注文可能。ネタケースに並ぶ新鮮な地魚を目で見て選んでから注文するのも良いだろう。立ち食いスタイルならではの気軽さもあり、ちょっとだけつまむのも、しっかり満腹になるまで楽しむのも自由。地魚の魅力を余すことなく味わえる、魚好きにはたまらないお店だ。
- ▼「すし海攻」の主なメニュー
- ・地魚にぎり八貫:3,080円(税込)
- ・地魚にぎり五貫:1,650円(税込)
- ・特上にぎり十貫:4,400円(税込)
- ・上にぎり五貫:2,750円(税込)
すし海攻「地魚にぎり八貫」

注文してしばらくすると、カウンター越しに「地魚にぎり八貫」が寿司下駄に乗って提供される。
手前の列には「炙りかます」「ひらめ」「黒しびかます」「鯵」「玉子焼き」。奥には「いさき」「真鯛」「炙り地金目鯛」「わかし」「かまぼこ」といったラインナップ。新鮮な地魚を余すことなく味わえる贅沢なセットとなっている。

地魚にぎりは、白身中心で見た目が地味になりがちだが、「すし海攻」さんのにぎりは、彩りや盛り付けの美しさがある。

最初は「炙りかます」。香ばしく炙られた表面に、ふんわりとした白身の旨味。塩でいただくことで、かます本来の繊細な脂の甘さが際立つ。

次に「ひらめ」。もみじおろしと刻みネギにポン酢をかけて提供される。さっぱりとした風味で夏場にもぴったり。淡白ながらも上品な味わいで、ひらめ特有のもっちりとした食感が印象的。

骨切りが施された皮目の美しさが目を引く「炙り黒しびかます」。ふっくらと柔らかい身に程よく脂がのっていて、脂と塩のバランスが絶妙。地魚ならではの珍しいネタに出会えるのも、漁港ならではの楽しみだ。

小田原といえばやっぱり「鯵」。丁寧に包丁が入っており見た目も繊細。地元の定番を、ひとつ上のクオリティで味わえる一貫。

続いて「玉子焼き」。職人さんの手作り感が感じられる優しい味で、お寿司の合間の箸休めとしてもぴったりだ。

「いさき」は、しっかりとした歯ごたえに、噛むほどにじんわりと旨味が広がる。まさに地魚らしい力強さを感じられる一貫。

「真鯛」にも細かく包丁が入れられており、見た目も美しい仕上がり。ぷりっとした弾力のある身で、食べるとほのかな甘さが広がる品のある一貫。

炙ることで脂の香りと旨味が引き立つ「炙り地金目鯛」は、塩だけでいただくのが正解。小田原の海の恵みを感じる逸品。

ブリの幼魚である「わかし」は、ぷりっとした食感が心地よく、若魚らしい爽やかさが楽しめた。

小田原名物の「かまぼこ」がさりげなく添えられているのも嬉しい。ふっくらとした食感の中にちゃんとしゃりが入っている。地元の文化を味わう楽しさが加わった。

+200円で注文できる「漁師汁」もオススメしておきたい。魚のアラがたっぷりと入った味噌仕立ての汁で、魚の旨味がスープに溶け込み、ホッとする美味しさ。お寿司と一緒にぜひ味わってほしい一品だ。
小田原・早川漁港「すし海攻」の店舗情報

小田原・早川漁港の立ち食い寿司「すし海攻」さんは、ただ地魚を味わうだけでなく、鮮度の高さや職人さんの小田原への愛情まで感じられるお店だった。目の前で握られる地魚に舌鼓を打ちながら、漁港の空気を肌で感じる。そんな贅沢な時間を、立ち食いスタイルの気軽さの中で楽しむことができた。
2025年6月にオープンしたばかりということもあり、今回は運よく行列に並ぶことなく入れたが、次に訪れるときには、行列店になっているかもしれない。小田原を訪れた際は、ぜひ早川漁港へ足を運び「すし海攻」さんで地魚の魅力を味わってみてほしい。