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日本橋「大江戸」のうなぎは土曜日に行くべき!名物いかだは土曜限定

日本橋「大江戸」のうなぎは土曜日に行くべき!名物いかだは土曜限定

2026/09/20

土曜日の日本橋。
うなぎの名店「大江戸」で名物の「いかだ」を食べてきた

いかだとは、一尾のうなぎを二つに切らず、長いまま重箱に並べる焼き方のことだ。大江戸ではこれを土曜日だけの献立として出している。平日に訪れても食べることはできない。

新日本橋駅の通路にある大江戸の看板

新日本橋駅の通路にある看板が、その姿を端的に示している。串を打たれた長いうなぎを炭の上で焼き上げ、切らずに重へ移したものがいかだである。

以下、いかだとは何か?うな重全5品の値段から平日との違い、そして実際の味まで、2026年7月の訪問時の写真とともに記していく。

うなぎの「いかだ」とは?

うな重「きさらぎ」の二本いかだ

重箱の蓋を開けると、うなぎが長いまま並んでいた。

一般的なうな重は、開いたうなぎを食べやすい大きさに切り分けて重に敷く。対していかだは切り分けない。一尾をそのままの長さで焼き上げ、重の縁から縁まで渡すように置く。二本、三本と並んだ姿が筏に見えることから、この名がついた。

いかだとは 一尾のうなぎを二ツに切らずに筏の形に焼き上げる 又 格別美味のもので御座居ます

大江戸のお品書きには、こう記されている。

いかだの尾側の端

端を見ると、尾に近い部分を折り曲げて重箱に収めている。切り分けられたうな重では決して生まれない形だ。

一尾を一枚のまま扱うため、焼き手には均一に火を通す技術が求められる。手間のかかる焼き方であり、だからこそ特別な献立として供されるのだろう。

大江戸の「いかだ」は土曜日限定

店頭の立て看板

店の前に、二つの立て看板が出ていた。ひとつは「営業中」。もうひとつにはこう書かれている。

本日土曜日の いかだ御奉仕日でございます
何卒御賞味下さいませ 大江戸店主

いかだが供されるのは土曜日だけだ。平日に訪れても、この献立は出てこない。

平日のうな重は、開いたうなぎを切り分けて重に敷いた、一般的な形で提供される。どちらが上位ということではなく、供し方が違う。切り分けられたうな重には食べやすさがあり、いかだには一尾をそのまま味わう迫力がある。同じ店の同じうなぎが、形を変えて出てくると考えたほうが近い。

ただし、いかだを目当てにしているなら、訪問日は土曜日に合わせる必要がある。ここだけは動かせない条件だ。

なお、立て看板には「御奉仕日」と記されているが、これは安く提供されるという意味ではない。平日の品書きと見比べると、いかだのほうがむしろ高い。詳しくは次の章で触れる。

いかだの品書きと平日との違い

大江戸のお品書き

品名は旧暦の月の名だが、並びは月順ではなさそうだ。最も手頃な「ふみづき」は土曜日でも切り分けられたうな重で出てくるので、いかだを食べるなら「さつき」以上を選ぶことになる。

品名 税抜 税込
ふみづき 2,900円 3,190円
さつき(二本いかだ) 4,800円 5,280円
きさらぎ(二本いかだ) 6,200円 6,820円
はづき(三本いかだ) 7,300円 8,030円
みなづき(三本いかだ) 8,900円 9,790円
極上 12,000円 13,200円

※2026年7月訪問時

うなぎの本数、サイズとグレードの違いがあり、値段が上がる方向は、本数が増える方向と、うなぎそのものが良くなる方向の二つある。最上位の「極上」には共水うなぎなど希少なブランド鰻が使われる。

今回選んだのは二本いかだの「きさらぎ」。初めていかだを食べるなら、過不足のない選択だと思う。

平日と土曜日の違い

平日 税抜(税込) 土曜日 税抜(税込)
ふみづき 2,900円(3,190円) ふみづき 2,900円(3,190円)
ながつき 4,400円(4,840円) さつき(二本いかだ) 4,800円(5,280円)
しもづき 5,400円(5,940円) きさらぎ(二本いかだ) 6,200円(6,820円)
やよい 6,700円(7,370円) はづき(三本いかだ) 7,300円(8,030円)
むつき 8,000円(8,800円) みなづき(三本いかだ) 8,900円(9,790円)
極上 12,000円(13,200円) 極上 12,000円(13,200円)

※2026年7月訪問時

品名は土曜日と全く違う。共通するのは「ふみづき」と「極上」だけで、この二つは同額だ。その間の4品を値段順に並べると、いかだのほうが440円から990円ほど高い。ただし平日の「ながつき」と土曜の「さつき」が同じサイズ・グレードかどうかを品書きから読み取ることはできない。

新日本橋駅から店まで

最寄りはJR総武線快速の新日本橋駅で、駅構内を歩くと冒頭で触れた看板が目に入る。

8番出口から地上に出て左折すると昭和通りに入る。左折する形で右側の歩道に渡ることになるので、横断歩道をひとつ越える。そこから道なりに進めばすぐだ。

昭和通り沿いの角に建つ大江戸の外観

信号待ちを含めて駅から4分。角に赤い壁の建物が見えてくる。

周囲はオフィスビルが並ぶ日本橋本町の一角で、その中にこの一軒だけが別の時代から残っているように建っている。歩道側には大きな柳。その奥に瓦屋根がのぞく。うなぎ屋に柳という取り合わせは江戸の風情そのもので、ビルの谷間にあることでかえって際立って見えた。

「うなぎ割烹 大江戸」の入口

太い丸太を組んだ庇の上に「大江戸」のへん額。老舗らしい佇まいだ。

東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅、日比谷線の小伝馬町駅からも歩ける距離にあるが、初めて向かうなら、新日本橋駅の8番出口から歩くのが最も分かりやすいと思う。

席に着いてまず一杯

大江戸の飲み物のお品書き

お品書きには飲み物のページもある。
生ビールや瓶ビールは様々な銘柄から選べる。ほかにドンペリがあるのも面白い。うなぎが焼き上がるまでに時間がかかる。この日は注文から重が運ばれてくるまで、およそ30分ほどかかった。その待ち時間を一杯やりながら過ごすのも、うなぎ屋の楽しみのひとつだ。

7月の季節の一品

瓶ビールと季節の単品「枝豆」

アサヒのマルエフの瓶ビールを頼んだ。あわせて季節の単品から「枝豆」を。塩がしっかりまぶしてあり、ビールによく合う。

7月の季節の単品「はも梅肉」

もうひと品は「はも梅肉」。白く花が開いたような身に、紅い梅肉が添えられている。うなぎを待ちながら季節の一品がいただけて、これ以上ない取り合わせだった。

うな重「きさらぎ」を実食

運ばれてきたうな重「きさらぎ」

30分ほどして、うな重が運ばれてきた。
事前に置かれていた盆に、運ばれてきた黒い重箱と肝吸い、香の物が置かれる。

うな重の蓋に入った金文字「草加屋吉兵衛」

蓋に金文字で「草加屋吉兵衛」とある。店の屋号だ。表の看板にも「うなぎ 草加屋吉兵衛 割烹 大江戸」と掲げられていた。重の蓋にまで屋号が入っているあたりに、この店の構えが表れている。

割り箸の帯に「大江戸」の文字

割り箸の帯には「大江戸」の文字。食べる前から気持ちが整ってくる。

蓋を開けたうな重「きさらぎ」

蓋を開ける。
二本のうなぎが、重の端から端まで渡っている。

切れ目がない。長いまま並んだ姿は、なるほど筏だ。表面にはたれの照りがあり、焼き目の筋がくっきりと入っている。ご飯は重の縁近くまで詰まっていて、うなぎの下に隠れている。

箸で切り分けたうなぎを持ち上げたところ

箸を入れる。
切らずに焼いた身は、それでも箸で難なく切れた。持ち上げると、皮目が見える。焦げ茶色に焼き締まった皮と、その下の白い身。境目がはっきりしている。

口に運ぶと、まず香ばしさが来る。炭で焼いた香りが先にきて、続いて皮の食感。そして中の身はふっくらと柔らかい。蒸しの工程を経た関東の蒲焼だ。

二口目のうなぎを持ち上げたところ

二口目を持ち上げると、うなぎの下からご飯が現れる。たれが染みて薄く色づいている。

二本目で分かるたれとご飯

奥のいかだの首側を箸で持ち上げたところ

手前の一本を食べ終えて、奥のいかだに箸を移す。頭に近い側のほうが、身に重みがある。

奥のいかだの二口目

たれは、甘くないし辛くもない。
うなぎのたれというと、濃く煮詰めた甘辛さを思い浮かべる人が多いと思うが、大江戸のそれは違った。さらりとしていて、口に残らない。うなぎの脂と香ばしさを、後ろから支えるだけの役に徹している。

だから飽きない。二本のいかだを食べ切っても、最後まで味が重くならなかった。

ご飯の炊き加減も、うなぎの脂とたれを受け止めて、なお輪郭を失わない。うな重はうなぎだけで成立するものではないのだと、食べながら思った。上品、という言葉がいちばん近い。

肝吸いも一緒に

うな重に付く肝吸い

うな重には肝吸いが付く。
浮かんでいた。三つ葉の茎だろう。汁は透き通っていて、底には肝が沈んでいる。

肝吸いの肝を箸で持ち上げたところ

肝を箸で持ち上げる。
ふっくらとしていて崩れない。独特の苦みはあるが、後を引く種類のものではない。汁は出汁が効いていて塩気は控えめだ。

うな重の合間に飲むと、口の中がすっとリセットされる。上品なたれと同じ方向を向いた椀で、献立全体の設計が一貫していると感じた。

まとめ

「うなぎ割烹 大江戸」の外観

日本橋の「大江戸」で、土曜日だけの名物「いかだ」を食べてきた。

一尾を二つに切らず、長いまま重に渡して焼き上げる。切らないというそれだけのことが、見た目も、食べ方も、味の印象までも変えていた。端が重の壁に届いて折れ曲がる姿は、切り分けられたうな重では決して見られないものだ。

平日の品書きと比べれば、いかだのほうがむしろ高いが、それでも一尾をそのまま焼き上げたものを味わえるのは土曜日だけだ。ビルの谷間に残る赤い壁と柳の下で、その一品を待つ時間まで含めて、行く価値のある店だった。

江戸前の老舗で名物「いかだ」を食べてみたい!そう考えているなら、土曜日限定であること、「さつき」以上を注文することを覚えておいてほしい。

日本橋「うなぎ割烹 大江戸」の店舗情報
住所:東京都中央区日本橋本町4-7-10
TEL:03-3241-3838
営業時間:11:00~22:00 土~21:00
定休日:日祝
駐車場:無

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