
武蔵府中熊野神社古墳と展示館!神社と共存する国内最古級の上円下方墳
2025/10/23
東京・府中市にある熊野神社の境内に、ひっそりと佇む国史跡「武蔵府中熊野神社古墳」。
武蔵府中熊野神社古墳は、「上円下方墳(じょうえんかほうふん)」という極めて稀少な古墳で、石が葺かれた上円下方墳としては国内最大規模で最古級のものだとされている。
今回は、そんな「武蔵府中熊野神社古墳」を実際に訪れ、上円下方墳や熊野神社、そして境内にある展示館を見学してきたので、たくさんの写真とともに紹介したいと思う。
武蔵府中熊野神社古墳とは?その希少性の秘密

そもそも「上円下方墳」とは?
一般的にイメージする古墳とは、円形をした「円墳」、四角い「方墳」、鍵穴のような形をした「前方後円墳」などではないだろうか?しかし、武蔵府中熊野神社古墳の墳形は、それらとは一線を画す「上円下方墳」。
その名の通り、下段が四角い「方形」、その上に丸い「円形」という、方墳と円墳の両方の特徴を併せ持つ非常に特殊な構造になっている。その数は極めて少なく、全国でも数例しか確認されていないという極めて稀少な墳形の古墳だ。
「国内最大級・最古級」の圧倒的価値
さらに注目すべきは、この古墳が「石で葺かれた」状態で確認されたこと。石が葺かれた上円下方墳としては国内最大級・最古級とされ、その規模の大きさや出土品からも、被葬者が当時の武蔵国で相当な地位にあったことをうかがわせる。
また、造営時期が7世紀中頃から後半と推定されることから、武蔵国府が現在の府中市に設置された時期との関連性も指摘されており、古代武蔵の政治的中心地としての府中の歴史を語るうえで極めて価値のある遺跡といえるだろう。
神社と古墳が奇跡の共存
府中熊野神社を見学

武蔵府中熊野神社古墳は、その名のとおり、熊野神社の境内で見学することができる。まずは、古墳の見学に入る前に、境内を歩いて熊野神社にお参りしてみたい。甲州街道に面した正面の鳥居をくぐる前に一礼。

熊野神社の創建は江戸時代初期と伝わっており、安永6年(1770年)に現在の地へ遷座されたという。もともとは、現在地より南の旧・本宿村の総鎮守だったといわれている。

手水舎の隣には由緒碑が立ち、熊野神社の由緒を知ることができる。

そして拝殿。歴史を重ねた木造建築の落ち着いた佇まいが印象的だ。神前に進み、二拝二拍手一拝の作法でお参りを済ませる。

拝殿の上部に目を向けると、力強い龍の彫刻が存在感を放つ。
武蔵府中熊野神社古墳を見学

拝殿の奥には本殿があり、そのさらに背後に見えるこんもりとした高まりが「武蔵府中熊野神社古墳」だ。神社の背後に古墳が構える光景は全国的にも珍しく、まさに「神社と古墳が奇跡の共存」。

拝殿の右手からも奥へと進むと、古墳を見学することができる。

古墳の前には「国史跡 武蔵府中熊野神社古墳」と刻まれた石碑があり、横には案内板が設置されている。墳丘の概要や発掘の成果がわかりやすく説明されており、古墳ファンならずとも足を止めて読みたくなる内容だ。

本殿の背後には、石室の入口が確認できる。現在は安全のため閉鎖されているが、内部に横穴式石室があり、そこから副葬品も出土しているという。敷地内には「石室復元展示室」も設けられており、後ほどその内部を紹介したい。

古墳の反対側にまわると、石の鳥居が立ち、また違った趣の風景が広がる。神社を取り囲む玉垣と古墳が重なり合う独特の空気を感じることができる。
武蔵府中熊野神社古墳公園から見学

古墳の北西側、7小通り沿いには「武蔵府中熊野神社古墳公園」が整備されている。こちら側からは、古墳全体の形を確認することができる。

「公園」とは言っても、遊具やベンチは設置されておらず、むしろ古墳を静かに眺めるための空間といった趣だ。訪れる人も少ないので、静かに歴史と向き合う時間を過ごすことができる。

公園は古墳の西側に位置しているため、午後には順光になるので、写真撮影をするなら午後の時間帯がおすすめだ。神社の境内側とはまた違った角度から、古墳の造形美とそのスケールをじっくりと感じ取ることができるだろう。
府中熊野神社古墳展示館

敷地内には「古墳展示館」と「石室復元展示室」が併設されている。まずは「古墳展示館」から見学してみよう。

展示館の2階手前には、府中市周辺に点在する古墳や遺跡についてのパネル展示が並ぶ。多摩川流域に広がる古墳群の分布や、当時の武蔵国の勢力図などが紹介されており、古墳時代の府中エリアがどれほど重要な地域だったのかがわかる。
この地域の古墳文化の背景を知ることで、「武蔵府中熊野神社古墳」がどれほど特別な存在なのかを実感することができる。

奥へ進むと、古墳の復元工事の様子を紹介する写真や資料が展示されている。葺石(ふきいし)と呼ばれる石で墳丘を覆う技法や、切石を積み上げた石室の構造など、発掘調査で明らかになった貴重な情報が詳しく解説されている。

中央の展示ケースに置かれているのは、鞘尻金具(さやじりかなぐ)のレプリカ。これは刀の鞘の端を飾る金属部品。細部まで再現された装飾模様を間近で見ると、被葬者が高い身分の人物であったことがより現実味を帯びて感じられる。

壁際の展示には、古墳の土層断面がそのまま再現されている。実際に発掘時の断面に樹脂を塗り、表面の土をはがして固めたものとのことで、層ごとに異なる土の色や質感がはっきりとわかる。
石室復元展示室

古墳展示館の見学を終えたら、裏口から「石室復元展示室」へ進む。入口でスタッフの方がライトとヘルメットを貸してくれる。まるで本物の発掘現場に入るような気分で、少しワクワクしてくる。こちらも入場は無料で、誰でも気軽に体験できるのがうれしい。

石室復元展示室の内部には、実際の武蔵府中熊野神社古墳の石室を忠実に再現した空間が広がっている。

この石室は「横穴式石室」と呼ばれ、3つの部屋が連なる構造になっている。入口に近い「前室」、中央の「中室」、そして最奥の「後室」へと続く構造で築かれている。

最奥の部屋には、棺が安置されている。もちろん復元だが、実際にここに被葬者が眠っていたのだと思うと、静かな緊張感が漂う。この空間を体験できるのは非常に貴重で、古墳時代の文化を肌で感じることができた。
「武蔵府中熊野神社古墳」まとめ

神社と共存する珍しい古墳として知られる「武蔵府中熊野神社古墳」。上円下方墳という希少な形状に加え、石葺きの構造が国内最古級・最大級とされるなど、考古学的にも非常に価値の高い遺跡だった。
また、隣接する「古墳展示館」や「石室復元展示室」では、当時の構造や出土品を間近で見学でき、実際に石室の中へ入ることで、教科書では得られないリアルを体験することができた。
JR南武線の西府駅からアクセスも良く見学は無料。歴史に興味のある方はもちろん、ちょっと変わった週末の散歩コースとしてもおすすめだ。
- 武蔵府中熊野神社古墳
- 住所:東京都府中市西府町2-9
- 駐車場:なし

東小金井「宝華」の油そばがやっぱり旨い!地元民に愛される中華の名店
武蔵野うどんの人気店「小平うどん本店」!行列必至の肉汁うどんを堪能
東小金井の油そば専門店「一平ソバ」!本場武蔵野エリアで愛される名店
油そば専門店「東京油組総本店」!たまに無性に食べたくなるチェーン店
すた丼発祥のスタ丼のお店「サッポロラーメン国立本店」で創業の味
南武線「快速」の停車駅をチェック!快速運転は昼間と平日夜だけ?
【本場武蔵野】油そばランキング!地元の人気店だけを厳選ピックアップ
八王子~大宮直通!むさしの号の停車駅・ルートを路線図で徹底解説
秋がおすすめな超老舗!幕末期創業の元祖深大寺そば「嶋田家」
平日と休日で違う?中央線の路線図で停車駅をチェック!
中央特快?青梅特快?中央線快速と停車駅の違いを比較
イベント時にも穴場のおすすめ深大寺そば店「玉乃屋」
特徴は白い蕎麦?深大寺そばおすすめ人気店ランキング!
深大寺そば「門前そば本舗」!深大寺で一番安く蕎麦が食べられる人気店
深大寺そば「一休庵」そばも演出も○
深大寺そば「多聞(たもん)」なら山盛り蕎麦でしょ!
深大寺そば「青木屋」!コシ・のどごし・ロケーションが大好きな老舗店
深大寺そば「そば処湧水」!深大寺でトップクラスの人気を誇る蕎麦店
調布飛行場(調布空港)まとめ
調布飛行場に駐車場はあるの?