
浅草「常寿司」で江戸前寿司!江戸前の仕事と昔ながらの鮨ダネを味わう
2025/06/14
浅草観光に行ったら、やっぱり食べたいのは「江戸前寿司」。せっかくなら、江戸前の仕事をしっかり味わいたい!そんな方におすすめなのが、浅草・たぬき通りに店を構える老舗「常寿司(つねずし)」さん。屋台発祥の歴史を持ち、地元の人々にも長く親しまれてきた一軒だ。
今回は、煮る・締める・漬けるといった江戸前の伝統的な仕事が施されたタネを中心に構成された「江戸前づくし」を実際に味わってきた。 浅草で立ち寄りたい、江戸前の技と味が堪能できる老舗「常寿司」さんをご紹介したいと思う。

お店があるのは、浅草・たぬき通り。
通りを歩いていると、昔ながらの風情を感じさせる落ち着いた佇まいの「常寿司」が見えてくる。すでに店先には待ち客が2組。人気の高さがうかがえる。

店頭にはメニューが掲示されており、一目で価格帯が分かるようになっている。「江戸前づくし」や「おまかせ」などのセット内容が記載されて、初めての人でも安心して入店しやすい雰囲気だ。

順番待ちのため、店頭でしばらく待機。
ちょうど食事を終えたお客さんが数組立て続けに出てきたタイミングだったため、5分ほどでスムーズに店内に案内された。入口上部の木製の看板には、筆文字で「江戸前常寿し」と掲げられており、伝統と誇りを感じさせる佇まいだった。
浅草「常寿司」のメニュー

にぎりのセットメニューは「特上にぎり」「上にぎり」「並にぎり」の3段階が用意されており、好みや予算に合わせて選ぶことができる。そして、今回のお目当てでもあるのが「江戸前づくし」。江戸前づくしは、煮る・締める・漬けるといった江戸前の伝統的な仕事が施されたタネだけを集めたセットとなっている。
また、好きなネタにとことん向き合える「穴子づくし」「とろづくし」「まぐろづくし」といった通好みのメニューも並んでいる。浅草という観光地にありながら、値段はどれも良心的。初めてでも安心してのれんをくぐれる価格帯なのも、「常寿司」さんの魅力のひとつだ。
- ▼浅草「常寿司」の主なメニュー
- ・特上にぎり:2,300円
- ・上にぎり:1,900円
- ・並にぎり:1,500円
- ・江戸前づくし:2,000円
- ・穴子づくし:2,000円
- ・とろづくし:3,200円
- ・まぐろづくし:2,000円
常寿司「江戸前づくし」

今回注文したのは、お目当ての「江戸前づくし」。江戸前の仕事が施された昔ながらのすしダネがずらりと並ぶセットだ。まずは瓶ビールをいただきながら、お寿司が出来上がるのをゆっくり待つ時間もまた楽しみのひとつ。
ふと目に入ったのは、タヌキの箸置き。これはきっと、店が立地する「たぬき通り」にちなんだものなんだろう。こうしたちょっとした演出にも、浅草らしい遊び心が感じられてほっこりする。

カウンターのショーケース越しに握りが仕上がっていく様子を眺める。なんだか大人になった気分だ。

そんなこんなで、注文から約10分ほど。
いよいよ本日の主役「江戸前づくし」が目の前に登場!江戸前の仕事が施されたネタの数々に、思わず気分も上がる。
浅草という土地柄か、店内にはインバウンドのお客さんも多く、隣の席の外国人観光客が興味津々でこちらのお寿司をのぞき込んでくる。

今回の「江戸前づくし」の内容は、左上から順に「かんぴょう巻き」「アオヤギ(バカガイ)」「まぐろ赤身」「あじ」「こはだ」「玉子」「イカ」「シャコ」というラインナップ。どれも江戸前の伝統的なネタばかりで、派手さはないけれど、一貫ずつ丁寧に味わいたくなる風格がある。

まずは「アオヤギ(バカガイ)」から。
貝の食感と風味、春を感じさせてくれる、江戸前寿司らしい一貫だ。

続いては「まぐろ赤身」。
こちらはほんのりと漬けにされていて、まぐろの旨みがしっかりと引き立つ。

「あじ」は、軽く酢で締められており、脂ののった身にさっぱりとした酸味が加わって、絶妙なバランス。皮目の美しさと包丁の入れ方も印象的だった。

「こはだ」も、やはり軽めの酢締め。江戸前寿司の代表的なネタのひとつで、旨みと酸味のコントラストが楽しめた。塩加減も絶妙で、ついもう一貫食べたくなる仕上がりだった。

ここで「玉子」をはさむ。
甘みのある玉子焼きは、にぎりの合間に食べるとちょうどよいお口直しに。ふわっとした食感で、優しい味だった。

続いて「イカ」。
こちらは煮イカに、甘めのツメが塗られていて、やさしい甘みが口に広がる。イカのやわらかさも絶妙で、じんわりと旨みが広がる。

「シャコ」も煮シャコに甘めのツメ。
こちらは江戸前寿司の定番ながら、近年は見かける機会も減ってきたネタなので、こうして味わえるのはありがたい。

最後は「かんぴょう巻き」で締め。
しっかりと味が染みたかんぴょうに、シャリがよく合う。派手さはないけれど、江戸前らしい丁寧な一品だ。

セットを食べ終えた後、ついつい「穴子」と「えび」を追加注文。穴子はふっくらと煮上げられていて、口の中でほどけるような食感。えびはほんのり塩気と甘みがあり、こちらも間違いのない一貫だった。

最後はあがり(お茶)をいただいて、ごちそうさまでした。派手ではないけれど、どのネタにも江戸前の仕事がしっかりと感じられて、一貫ずつにしっかり向き合いたくなるお寿司だった。しっかりと「江戸前づくし」を味わって楽しむことができた。
浅草「常寿司」店舗情報

浅草のたぬき通りの老舗「常寿司」さんでは、江戸前寿司ならではの仕事をしっかりと感じられる一貫一貫を、落ち着いた雰囲気の中でじっくり味わうことができた。
今回いただいた「江戸前づくし」は、漬け・酢締め・煮物など、昔ながらの技が光るネタばかり。どれも丁寧に仕上げられていて、伝統の味を楽しむことができた。中でもアオヤギやこはだ、シャコといった伝統的なすしダネに出会えたのは、今では貴重な体験なのかも知れない。
観光地・浅草にありながら、価格も比較的リーズナブルで入りやすいのもうれしいポイント。江戸の味と粋を、現代に伝える「常寿司」さん。浅草観光の際には、ぜひ立ち寄ってみてください。きっと、特別な一食になるはずだ。