吉見百穴(よしみひゃくあな)とは?歴史と観光の見どころを紹介!
2023/01/04
埼玉県の吉見町の観光名所となっている「吉見百穴(よしみひゃくあな)」。山の斜面に沢山の穴をもつ不思議な外観から、吉見百穴とは一体何なんだろう?と興味を持つ人も多いだろう。
今回は、吉見百穴にこれから行く人のために、吉見百穴の歴史や観光の見どころを紹介したいと思う。
東松山市と吉見町の境を流れる市野川にかかった「市の川橋」の上から吉見百穴が見える。
吉見百穴って何て読むの?と思う人も多いと思うが、案内板に「よしみひゃくあな」と読み仮名が表記されていた。案内板にもある通り、下記3点が吉見百穴観光の主な見どころとなる。
- ▼吉見百穴観光の主な見どころ
- ・古墳時代後期に造られた墓穴(国指定史跡)
- ・戦時中に横穴群がある岩山に建設された軍需工場跡
- ・最低部の二つの横穴に生息するヒカリゴケ(国指定天然記念物)
吉見百穴に入場!チケットの料金は?
吉見百穴へは、入口のチケット売場で観覧料を支払って入場する。観覧料は大人:300円、小人(小学生):200円となっている。
吉見百穴のチケット売場は、埼玉県吉見町A001マンホールカードの配布場所でもあるので、集めている人は忘れずにスタッフさんにマンホールカードをいただこう!
チケットを購入したら、いよいよ吉見百穴に入場だ。
入口ゲートから中に入ると、すぐに吉見百穴がある岩山を見ることができる。
見学前に入口ゲートを入ってすぐ左手にある「資料展示館」で予習しておくのがおすすめだ。
吉見百穴の歴史と観光の見どころ
岩山にあいている四角い穴は、古墳時代末期(6世紀末~7世紀末)に造られた横穴墓で、現在確認できるだけでも219基ある。
古墳の多くは、盛り土をした中に1つだけ埋葬する墓室がある構造だったが、時代の流れと共に集合墳墓の形式で埋葬するようになり、このあたりでは岩山に穴を空けて埋葬するようになったと考えられている。
太平洋戦争下で、日本本土空襲が本格化されると軍需工場が爆撃されるようになったことから、吉見百穴の岩山の中に軍需工場が建設された。
以前は軍需工場跡の洞窟の一部が一般公開されていたみたいだが、現在は崩落の危険があるため一般公開はされていない。
吉見百穴には観光用の通路が設けられている。早速、中央通路を登って吉見百穴を見学してみたいと思う。
穴の並び方も見どころのひとつ。
西側から東側へいくにしたがって穴の並び方が整ったり、中には大きな穴を中心にグループを形成する穴もある。
中央通路を登っていくと、中をのぞけるようになっている穴がいくつかある。穴の中をのぞいてみよう。
穴の中をのぞいてみると、内部は入口の幅よりも広くなっていて壁際にはベッド状のものが確認できた。
中央通路は階段になっていて、ところどころ穴の中をのぞきながら見学できるルートになっている。
「玄室の形」の案内板が掲げてある。
横穴の中にある玄室には方型や長方形、羽子板形、三味線胴形など、様々な形があるそう。
遺体を安置したとされている「棺座」に水がたまらないように、溝や傾斜をつけて排水の工夫がされていることが「棺座の工夫」の案内板に記されている。こう言った部分を実際に探しながら見学するのもおもしろいだろう。
玄室のひとつに入ってみた。
中は広くなっていて、ここには棺座が2つ設置されている。
壁面にはどうみても古代人の文字ではないたくさんの落書き、、、
山頂近くの開けたスペースにはベンチが設置されていて、ちょっとした展望台のようになっている。
展望台には「見晴らし台」という名前が付いていて、市野川の向こうには東松山市街、その奥には奥武蔵の山々が見渡せる。
見晴らし台から最後の階段を登ると山頂だ。
ヘビ・ハチに注意の看板があったので、遭遇率の低い冬の訪問で良かったと思う。
山頂にはやさいの直売所があった。
山頂にもベンチが設置されているが、木々でそんなに視界は広くない。景色を楽しむには、さきほどの「見晴らし台」がベストだ。
このあたりではイノシシの目撃情報もあるようだ。
下山ルートもしっかりと整備されている。
軍需工場跡
下山してきたところにも軍需工場跡の出入口がある。
以前は、このあたりの洞窟の一部が一般公開されていたが、崩落の危険があるため2018年6月以降は見学できなくなっている。
見学は出来なくなっているが、格子から内部をのぞき込むことはできる。
1944年に東京武蔵野の中島飛行機武蔵製作所が空襲を受けたことによって、埼玉大宮の中島飛行機大宮製作所の生産を確保するために吉見に地下工場が建設されることになったという経緯がある。
工事を進めながら設計を行う突貫工事で、全国から3,000人以上の朝鮮人労働者が集められて昼夜を通して掘削工事が行われたそうだ。
ヒカリゴケ
吉見百穴の横穴墓内にはヒカリゴケが自生している。
案内板によると2,3の横穴の中には、天然記念物に指定されている「ヒカリゴケ」が自生していると書いてある。
その中の1つを見学することができる。
中をのぞいて見たが、正直よくわからなかった。乾燥している冬場よりも湿度の高い夏場の方が輝いて見えるそうだ。
吉見町埋蔵文化財センター
吉見百穴構内には貴重な文化財を展示している吉見町埋蔵文化財センターがある。
吉見町埋蔵文化財センターには埴輪や勾玉を手作りすることができる体験コーナーがある。
館内には勾玉や土器類など吉見町内で出土した遺物が展示されている。
展示物のほか、吉見町周辺の歴史についても学ぶことができる。
吉見百穴構内には2軒のお土産屋さんがある。「たかはし売店」さんでは、お土産販売の他、うどん、そば、おでん、焼だんごなどの軽食がいただける。手作りの五家宝も販売されている。
もう一軒の「百穴発掘の家」さんでは、軽食、お土産に販売の他、発掘当時の貴重な写真が展示されている。
吉見百穴まとめ
今回は、吉見百穴の歴史や観光の見どころについて紹介してみた。崩落の危険があるということで軍需工場跡内を見学することはできなかったが、観覧料300円と考えるとかなりオススメの観光スポットといえる。
これから吉見百穴に行こうと思っている人の参考になれば幸いだ。
吉見百穴には約240台収容できるかなり大きな無料駐車場がある。東松山駅からバスでアクセスすることも可能だ。
- 吉見百穴
- 住所:埼玉県比企郡吉見町大字北吉見324
- TEL:0493-54-4541
- 営業時間:8:30~17:00(入場は16:30まで)
- 駐車場:無料